天気のよい日はそれが朝晩で、撒き散らされた黄色がいかにも汚らしくて煩わしい。
垂れ流されるたびに汚れた雪をスコップで削り取り、遠くの空き地まで運んでいたが、いかにも馬鹿馬鹿しくて腹が立つ。本来なら、飼い主がマナーとしてやるべき作業であろう。
いつも同じ場所なので、対策として灯油を少しまいてみた。嗅覚の鋭い犬には効果抜群だったが、人間にとっても臭い。数日経つと臭いが薄れてぶり返すので、定期的にまく必要がある。これでは費用もかさむ。
夏はあまり気にならず、垂れ流すのは決まって冬。その理由をじっくり考えてみたが、単なる縄張り意識のほか、どうも当該ワンコは、きれいに除雪して切り立った壁状の部分が大好きらしいことを知る。
足の短い小型犬であることは分かっていたので、思いついて除雪後の雪塊をわざと片づけず、壁の前に乱雑に重ねてみた。すると、オシッコがぴたり止まった。
新雪の上に犬と飼い主の足跡はハッキリ残っているが、躊躇して断念した痕跡がある。雪塊を踏み越えてまで垂れ流す元気はないようだ。
現場をつかまえて、「オシッコさせないで」と直談判したり、「ワンちゃんにオシッコさせないで」と看板を自作して立てようとも考えたが、どちらも煩わしい。穏便な解決手段だった。
現場をつかまえて、「オシッコさせないで」と直談判したり、「ワンちゃんにオシッコさせないで」と看板を自作して立てようとも考えたが、どちらも煩わしい。穏便な解決手段だった。
断念した痕跡あり |
やれやれ一件落着と安心していたら、今年は反対側の壁に垂れ流し始めた。何ともしつこいワンコ、いや飼い主ではないか。
やむなく、反対側の壁にも雪塊を積み重ねる。こちらも効果あり。ネットで調べてみたら、同じように悩んでいる方が多数いた。雪のない地域でも、壁や柱の前にワンコの邪魔になる何か(プランターなど)を並べて置くのが効果的と思われる。
公徳心欠如の寒い世の中、工夫次第で波風立てずに自衛が叶う。