2013年9月30日月曜日

振り回された

 午前中から雨の予報が出ていたが、昨日張り残した3メートルの板7枚のことが気になって、朝7時に目が覚めた。窓から外の様子をうかがうと、地面がわずかに濡れている。霧のような細かい雨で、「こぬか雨」という小洒落た表現があったことを思い出した。
 外作業は無理をすればやれなくはなさそうだが、途中で降りが強くなってはかなわない。いったん床に戻ったが、結局二度寝も出来ぬまま、起きてしまう。
 空模様がはっきりしないので、残った板7枚の加工だけを屋内でやることを思いつく。さっそく家の中に運び込み、道具類をセットしていざ始めようとしたら、突然の電話。
 朝9時過ぎの電話など、ロクな用事ではないと用心して応対すると、何と東京のNHK制作部からである。以前にネットアンケートに応じた件で、ぜひ中高年番組に出て欲しいという。
 ただし時間がないのでカメラ取材は無理で、コメント紹介と写真のみでの出演。内容は「中高年の散歩」という切り口で、子細は書けないが、いろいろなシーンの写真がなるべく早く欲しいとのこと。


 残った板張り作業が気になるが、元はといえば自分がまいた種。すぐに準備を整え、まず自分のプロフィール写真をセルフタイマーで撮る。その後、外に必要なシーンの撮影に出かけた。
 曇天だが、幸いに雨は止んでいる。要求に従って20枚ほど撮影。その足でスーパーや郵便局にも出向いて、あれこれと月末の用足しをした。

 家に戻っても、雨はこぬか状態のまま。家の中に入れた板を再度1枚ずつ外に出し、すばやく切断穴あけ加工し、順に壁に立てかけていった。
 7枚終わったころに、急に雨脚が強くなり始める。しかし、このままでは壁と板の隙間に雨が侵入してしまう。カッパと帽子で身づくろいし、雨の中で必要最低限なビス4本ずつを順に止めていった。
 1時間ほどで全作業を終える。やれば出来るものだ。まだ完全ではないが、雨の影響を最も受けやすい地面近くの壁は、ひとまず下地材料で覆うことが出来た。

 上半身はずぶ濡れ状態になり、衣類は全て交換。暖かいラーメンをすすったあと、全写真をパソコンに取り込んで整理し、15枚ほどにまとめて先方に送信。雨と板壁、そしてNHKに振り回された一日だったが、何とか無事に切り抜けた。
 放送(全国放送)が本決まりになった場合、事前にブログやツイッターで告知します。

2013年9月29日日曜日

脚立吊り下げフック

 昨夜も早めに寝たはずが、ふと目覚めると9時半。余程疲れが溜まっているのか、死んだように眠っていた。
 あわてて飛び起きて朝食もそこそこに木壁張替え作業を始めたが、完全に出遅れた。今日から最も長い3メートルの板を本格的に張り始めたが、窓下の短い部材と違って、高い部分は脚立に昇って作業する必要がある。
 材料の切断と下穴加工は地面でやるが、高い部分の穴あけ&ビス止め作業を昇り降りしながら進めるのは、非常に効率が悪い。
 地面に降りることなく、脚立上でドリルとドライバーを交互に使い分けるには、道具を脚立の突起に吊り下げるための、ちょっとした細工が必要である。
 昨夜、そのための加工を針金を使ってやったが、いざ使ってみるとうまくいかない。試行錯誤のすえ、本体のフックの他に、もうひとつのフックを針金で装着してやると、遊びがあってうまく使えることが分かった。
(写真は改良前で、引掛けがスムーズに運ばず、地面に落としてドリルビットを折ってしまった)


 道具の加工に手間を食い、午前中に張り終えた板はわずか3枚。3メートル長の部材は南東角の端部2枚を含めて全部で25枚あり、これを455間隔で7本のビスで止める。(ビスは両側にあるので、合計14本)この時点で、まだ7枚しか張り終えていない。
 明日は曇りで雨は降らないはずが、予報が急変し、午後から雨に変わった。今日中に一気に張り終える意気込みだったが、残るは18枚。ちょっと難しい感じだった。

 午後からは道具の改良のせいもあってか、少し効率がよくなり、日没までに11枚を何とか張り終えた。残りは7枚で、2時間強あれば終わるはずだが、問題は天気だ。


 板の幅は105あって、写真左側の窓上下の部分は120間隔(隙間15)で張っている。右の窓上下は115間隔(隙間10)、そして中央の長い部分は122間隔(隙間17)で張っている。
 それぞれ微妙に寸法が異なるのは、窓周りを取り囲む鋼板製水切りに、部材をぴったり収めるため。基準となる鉛直の部材を正確にまず張り、そこから電卓を使って厳密に寸法を割り出して張っている。

 下張りなので多少ラフでも構わないといえば構わないが、ここをきちんとやっておくと、今度は上張りの作業が楽なのだ。

2013年9月28日土曜日

社福協・敬老演芸の集い

 3日続きの晴れ。絶好のDIY日和だが、あいにく午後からは近隣の地区センターで実施される社福協・敬老演芸の集いがある。ライブの前後を無駄なく作業にあてるべく、綿密に段取りを練る。

 まずは午前中に昨日やり残した窓下部分の板を張る。その後最も面倒な南東角の長い板を張る。ここには電話線の引込み箇所があり、単純に板を切り欠いてはめ込むつもりが、上端と右側の水切り鋼板が邪魔をして、どうしてもうまくいかない。
 急きょ方針を変更し、電話線を境界に板を2分割し、隙間はあとで防水処理することにした。


 いつの間にか13時近くになったので、あわてて道具類をいったん片づけ、家に入って昼食をとり、ただちに歌のリハーサル。食べた直後で作業の疲れもあってか、声にはいまひとつツヤがない。
 荷物をまとめ、14時過ぎに会場となる地区センターに入る。進行は10分ほど遅れていたが、14時半あたりから急に入れ替わりが早くなり、ほぼプログラム通りの14時50分から歌い始める。
 音響は施設にあるものを使うことになっていたが、電子譜面を不安定な細い譜面台にセットするより、普段使っているマイクスタンド一体型の譜面台が使い勝手がいい。そこでマイクスタンド一式を持参し、マイクのみ施設のものを使って歌った。
 ギターの音はケーブル取りが難しそうだったので、別の専用マイクを使うことにする。ギターは生音の大きいヤマハのエレアコを持参した。
 およそ10分で以下の4曲を歌う。

「高原列車は行く」「浜辺の歌」「青い山脈」「世界の国からこんにちは」


 曲目リストは先月上旬に提出済みで、プログラムにも印刷されている。ラストの2曲は毎年恒例の「会場のみなさんと一緒に歌おう!」という主旨の、いわば敬老会的シングアウトである。
 聴き手はおよそ150名。毎度のことだが、この会場はスピーカーの音が非常に聞き取りにくく、ほとんど勘だけで歌わねばならない。体調がいまひとつの割には無難に歌い進めたが、ラストの「世界の国からこんにちは」で、一箇所歌詞を間違えた。

 会場の歌声が「青い山脈」ほどステージに届かないので、気になって一瞬譜面から目を離して会場を見たのが間違い。1番で「サクラの国」を2度続けて歌ってしまった。(本来は片方が「世界の国」)
 間違えた歌詞でも意味は通じなくはない。しかし、あくまで歌詞は歌詞で、しかもプログラムにも印刷されている。普段はほとんど歌わない曲というマイナス面もあったが、ちょっとした気の緩みと集中力の欠落である。反省。
 終了後、顔見知りの街づくりセンターの方と地区センターの館長さんから、来月と来年のライブの打診がある。来月の分は確定だが、来年度の分は未知数。しかし、非常に興味深い企画である。ぜひ実現して欲しい。

 急いで帰宅し、珈琲ブレイクもそこそこに、日暮れまでDIY作業に勤しむ。面倒な部分はすべて張り終え、3Mの長い板も基準となる中央部を張り終えた。あくまで下張り段階だが、ちょっとだけ先が見えた。

2013年9月27日金曜日

14年目のメンテナンス

 午前中に暖房ボイラの不凍液を交換に業者がやってくる。木壁張替えDIYはいったん棚上げにし、ボイラ前のタンスをどかし、3つある床下放熱器周辺を点検可能なように整理清掃。
 ひと通り終わって張替え作業の道具類を外に出し、準備していたら、予定よりも早く業者がやってくる。さっそくボイラ周りを見てもらったら、配管経路に不都合があって配管内の不凍液交換はできず、ボイラ内のみ交換となるという予想外の展開。

 経路の行きと戻りの両方に必要なバルブが、なぜか片方しかない。協議のすえ、日を改めて配管の修正と同時に作業してもらうことに。当然ながら、配管修正に伴う費用も別途発生する。
 予期せぬ出費の嵐、一向に収まる気配はない。


 業者は早々に帰ってしまったので、気を取り直して木壁の張替え作業にとりかかった。
 思いがけぬ時間ロスを食らってしまったが、よく考えてみれば暖房ボイラの不凍液交換も木壁の張替えも、築後14年間使い続けた結果の必要メンテナンス。今年はそんな年と腹をくくるしかない。
 木材90本はシートでくるまれたまま配達され、保存管理に大変都合がいい。注文した際はてっきり地元産のエゾマツと思いきや、シートを確かめると「made in EUROPA」の文字が。日本特有の規格と思っていたヌキ材にも、昨今は輸入材が入り込んできているらしい。

 夕方までに壁の1/4ほどを張り終える。下張りは鉛直の基準が壁端部と窓しかないので、窓への割り振り作業等が非常に煩雑。
 明日は地区センターで9月最後の敬老ライブがある。今日と同様、あまり作業はできない。下張りだけで9月が終わってしまいそうだ。

2013年9月26日木曜日

難しい外壁木材の選択

 カラリと晴れ上がった。予報によると来週始めあたりまで晴れの日が続くらしい。外仕事をやるなら、いまのうちだ。
 10時過ぎから作業開始。このところ1時過ぎには寝てしまうので、必然的に早めに目が覚める。ほぼ職人に近い生活になっている。人間、目的意識は大事だ。

 半分ほど残った既存の木壁を順調に外す。体力を使うので、昼食にはいつもの麺類にオニギリを1個追加した。腹が減っては仕事がやれぬ。
 14時までに大半を外し終えたが、電話線が貫通している最後の1枚を外すのに手こずった。ケーブルをそのままに、木材の部分だけをノミで切り取る必要がある。慎重に進めるうち、注文してあった木材が届く。本当は昨日中に配達可能だったが、雨の予報と作業の段取りから、今日を指定した。


 最後の1枚を無事に外し、記録のために全体の写真を撮影。既存の木材は実加工された輸入パネル材だが、木の育った気候が北海道とは違うせいか、数年のうちに縮んで隙間ができてしまい、そこから雨水が侵入した。
 黒いアスファルト防水紙の上に継ぎ目の筋がはっきり残っていて、一部には雨水によるシワも見られる。7年目に継ぎ目を塞ぐ目板をあてて対処したが、木材外壁の選択は工法も含めて、本当に難しい。

 今回買った新しい木材は18×105の矩形で、張り方も大和張と呼ばれる単純な縦2段張り。固定も1枚に対して、ビス2本を左右に使う。雨水侵入は改善されることを期待したい。
 夕方までに下地に開いた釘穴や欠損部を補修。汚れた部分の清掃も終わって、明日からいよいよ新しい木材の下張りにとりかかれる。

 ところで、今回は軍手ではなく、初めてゴムラバーの作業手袋を使って作業している。グリップがしっかりしていて、非常に作業しやすい。1双128円だが、値段だけの価値はある。

2013年9月25日水曜日

板金DIY

 未明から降り続く雨で、さすがに木壁張替え作業はできない。休暇の妻は早朝から総合病院に出かけた。勤務先の健康診断で肝機能と血圧等の数値に異常が出て、精密検査を受ける必要がある。
 久しぶりに朝寝を決め込んでいたら、来週から始まる屋根&外壁の塗装工事関連業者がやってきた。足場を組むための下調べだという。雨の中、傘をさしながらあちこち寸法どりをやっていた。

 昼ころに妻から電話。雨なので、歩いて駅まで行っている。お迎えの打診で、急ぎの用事がないので、昼食をかきこんで応ずる。検査結果は1週間後に出る。


 その後、昨日買ってきた材料のうち、トタン板を加工する作業にとりかかる。今回の木壁は2段張りになるので、上張りの木材が既存の水切りから15ミリほど外側に飛び出す。設計当初から2段張りにする場合は、水切りの寸法もそれに合わせて増やすが、このままでは小口に雨水が侵入し、劣化のもとである。
 対策として、簡単な水切りを自分で加工し、上張りとなる木材の頂部にかぶせようというのだ。
 作業は屋内でやれるが、慣れない板金作業なので、予想外に手こずった。木材1本毎にトタン板をかぶせれば、パーツは小さくなるので加工は容易だが、96本もあるので手間は膨大。
 ふと思いついて、7本ごとにまとめて幅広の部材を作って、線状にして一気にかぶせようとした。それが作業を難しくしてしまった。

 悪戦苦闘のすえ、どうにか形にして試験的にあててみたら、問題なく収まる。しかし、必要な13本のうち、6本しか完成しなかった。明日からしばらく晴れるので、また外作業に専念となる。上張りに使う部材なので、時間は多少ある。残りは暇を見つけて少しずつやる。

2013年9月24日火曜日

持ち家の修繕費用

 午後から雨の予報が出ていたので、早めの午前10時過ぎから木壁張替えDIY作業を始める。曇天だが、いまにも降りそうで降らない。昼食をはさんで14時までやって、かなり進んだ。

 いったん作業を休み、近くのホームセンターまで材料を調達に出かける。いいペースで進んでいるので、少なくとも下張りの部分はすでに作業にかかれる。
 使う木材の量が多く、配達になるので、注文してから届くまでに2~3日かかることが事前の問合せで分かっていた。早めに注文しておく必要がある。


 木材90本、固定用ビス600本、水切り用トタン板、廃棄材用の指定ゴミ袋、作業用軍手などを買う。
 木材は18×105のヌキ材を「大和張」と呼ばれる手法で2段張りする予定だったが、価格を見ると、3650長で538円。下調べした際のメモには400円とあり、食い違っている。
 よく調べたら、カンナをかけていない構造材用のヌキ材が398円。こちらと価格を間違って見積もっていたようだ。
 1枚140円の差だが、90枚となるとかなりの額。しばし迷って下張りとなる部分だけを安い部材にすることも考えたが、試算するとその差6,300円。下張りとはいえ、一部は表に見えて塗装もする。結局は全て仕上がりの美しく、節も少ないKD材を発注した。

 思わぬ計算ミスで、張替えに伴う費用総額は5万円を越す。今年は車検と暖房ボイラの不凍液交換、さらには屋根と外壁の塗装補修も重なるので、何かと物入り。しかし、無駄なものは何ひとつなく、いずれも最低限の必要経費である。
 マンション住まいであっても、いざ持ち家となれば、修繕費積立てといった形で、月々かなりの出費を強いられる。家を持つということは、結局そういうことだ。

2013年9月23日月曜日

木壁張替えDIY順調

 引き続き晴天なので、午前中から木壁張替え作業を継続。まずはぎりぎりまで乾燥させてあったツタを撤去。かなりの量になったので、いったん南側隣地に置いてさらに乾燥させる。
 南側隣地の地主とは今年の春に挨拶を交わし、境界部の草刈りを代行する見返りに、菜園等で利用する許可をいただいている。
 乾燥後は月に一回ある木の枝ゴミ収集日に出す予定。


 順調に終わって、残る目板を順に外す。最も長い3Mの部材だが、すでに要領をつかんでいるので、15時までに全て終わった。その勢いで、パネル材の一部を試験的に外してみた。

 長さ5センチほどのスクリュー釘で固く固定されているので、下地を傷めずに抜き取るには、ちょっとしたコツがいる。大型のバールで慎重に作業。窓下の幅1.8Mほどをまず取り払った。
 パネル材の一部は腐食がかなり進んでいるが、下地の防水材、アスファルトルーフィング20K(写真の黒い部分)に特に傷みは見られない。
 夕方までに目板を固定してあるビスを全て抜き取り、再利用のため容器に入れて油に浸す。スクリュー釘で穴の空いたアスファルトルーフィングとその下の石膏ボードには、念のため防水コーキングで蓋をした。
 予定よりかなり進んだので、明日は新しい木材や不足分のビス、木材頂部にかぶせる鋼板などの部材を調達に行くことにする。

2013年9月22日日曜日

木壁張替え作業進む

 すっきりした秋晴れ。敬老月間のライブも山は越えたので、心置きなく自宅の木壁張替え作業にまい進できる。
 今日は第一段階としての目板(パネル材の隙間を埋めるべく、7年前に補修した18×45の胴縁材)撤去作業を続けた。窓を中心に上下に分かれている部分をやる。効率的に進める方法がだんだん分かってきて、まず脚立の上で止めてあるビスを2/3ほど緩め、材料をまとめて4本ずつ下に落とす。
 これを横に移動しながら順にやり、全部の目板を外してから、地面の上でビスをまとめて一度に外す、という手順をとった。

 ビスを脚立上で1本ずつ外すより、はるかに効率的。似た作業はまとめていっぺんにやってしまうのが、省力化の大きなポイントだ。


 暗くなり始める前の17時までに、予定していた西半分の目板を完全に外し終えた。残るは中央部にある3M長の長い目板20本のみ。
 こちらにはまだツタが残っているが、このところの晴天でかなり乾燥が進んだので、明日は一挙に外してしまう予定。

 ところで、窓の上半分に張ってある既存のパネル材は張替えずに残すつもりでいたが、今日目板を外してよく調べてみると、腐食はないが、ヒビ割れがけっこうある。
 張替え作業は仮に同じペースとしても、10数年に一度のめったにないことなので、この際思い切って全部張替えてしまおうかと気が変わった。
 忘れていた撤去材料の廃棄処理費用も加算して、再度費用を見積もりし直してみると、43,000円強となった。まあ、必要経費だろう。

2013年9月21日土曜日

特養ホーム秋祭り

 近隣の特養ホーム秋祭りで歌ってきた。依頼は最近激増するネット経由。完成して間もない施設で、大規模なお祭りイベント自体が初めてだという。屋外でやることは決まっていたが、音響システムがはっきりしない。

 入居者は100名で、これに家族や職員を含めると、参加者は150名を軽く越えるという。広い屋外で小さすぎるPAは要注意だ。不安があるので、事前に現地調査に行った。
 持参したミキサーを施設にあるワイヤレンスアンプにつなぐと、普通に音が出た。調整した各種数値をメモし、本番はこの組合せで臨むはずだった。
 当日は青空の広がる絶好の秋晴れ。開始30分前に会場に入ると、音響が全く別のものに変わっている。施設側のPAの調子が悪く、急きょ他のPAを借りてきたという。
 事前の調整は無駄になってしまったが、PAそのものは立派で、メインアンプから3本のマイクと3個のスピーカーが繋がれている。会場を取り込むようにスピーカーが配置され、音の通りは抜群。
 問題は私のミキサー端子をどこにどう繋ぐかだが、コネクター付きの長いマイクケーブルが使えそうな感じが直感的にした。


 余興の1番手としてフラダンスがまず登場。進行が15分遅れていて、11時半から開始。ダンスを横目に、すぐに機材を組み立てた。
 11時50分にフラダンスが終了。マイクスタンドやミキサーは事前にミニステージ上に設置しておいたので、ただちに見込みをつけておいたマイクケーブルにミキサーを接続。
 PAに明るい人がいないので、接続の手順や調整は全て私の判断で進めたが、幸いに音は一発で出た。
 涼しくなってきたので、この日から衣装は長袖シャツに変更。ただ、「祭り」を意識して頭には帽子ではなく、赤いバンダナを巻いた。
 あっという間に設定が終わり、「早めに始めてください」との担当者の要望から、予定より8分早い11時52分から歌い始める。およそ27分で以下の10曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「知床旅情」「炭坑節」「幸せなら手をたたこう」「浪花節だよ人生は」「童謡メドレー:夕焼け小焼け・紅葉・赤とんぼ」「高校三年生」「丘を越えて」「月がとっても青いから」「まつり」


 会場が非常に広く、客席の周囲には屋台や縁日の出店が並んでいて、全体的にざわついた雰囲気。ある程度それを見越して、ストローク系の調子のよい曲を並べたが、その判断は正解だった。(選曲は全面的に任された)
 特養(特別養護老人ホーム)なので、デイサービスや多機能型施設に比べると、介護度の高い方が大多数。大きなかけ声等はなかったが、サポートする職員やボランティア、家族の方々がうまく盛り上げてくれた。

 お祭り系イベントでいつもラストに歌う「まつり」で、ラストの歌詞に施設名を入れて歌い終えると、場は拍手喝采で最高潮に達する。大きなトラブルもなく、無難に場をまとめて、担当者を始めとする多くの方々から喜ばれた。
 関係者の一人から、年金関連の演芸イベントに出演しないか、と打診される。毎年9月に近隣の街づくりセンターで実施されるそうだが、現状ではスケジュール的に厳しい。身体が2つ欲しい。
 終了後、飛び入りで入居者2人のハモニカ演奏がある。進行を急いでいた理由はこれだったらしい。昼食をいただきつつ、次の出し物の阿波踊りを見物する。フラダンスでは持参したラジカセの音をマイクで直接拾っていたが、ここでは生演奏の横笛と太鼓に合わせて踊っていた。

 食事中、通りすがりの高齢者の女性から話しかけられる。さっきの歌、素晴らしかったです。以前に玄関前で練習してましたよね?その時もずっと2階から見てたんですよ。
 聞けば「月がとっても青いから」が大好きだとか。もう一度聴きたいというので、その場でアカペラでさわりを歌うと、喜んで一緒に歌い出す。歌詞を知りたがるのでいったん箸を置き、車に置いてある予備の楽譜を持ってきてさし上げた。

 しばらくすると、再度近寄ってきて、もう一度一緒に歌って欲しいという。本当はあなたのギター伴奏で歌いたいというが、目の前では阿波踊りの真っ最中で、それは無理。
 希望通り、1番だけをもう一度一緒に歌う。音程がしっかりしていて、88歳という年齢に見合わぬ美声。「月がとっても青いから」は音域が広い難曲だが、かって民謡を習っていたことがあるという。次回、ぜひあなたの伴奏で歌わせて欲しいと念を押された。
 そばにいた家族(娘さんとお孫さん)からは、無理ばかりお願いしてすみません、と恐縮されたが、人生を前向きに生きるその姿勢に、ちょっと感動した。

2013年9月20日金曜日

木壁全交換作業開始

 午前中に塗装会社の営業マンと社長がやってきて、色見本の最終打合せと工期の確認。10月上旬から補修工事に入ることになる。
 いよいよ話が具体的になったので、先日のツタの撤去作業に引き続き、木壁の全交換作業の下作業を始めることにする。

 7年前に自力でやった補修工事の際、パネル材の隙間を埋めた18×45の胴縁材をまず外すことにする。専門用語では「目板」と呼ばれる部材だが、前回施工時にスリムビスで止めているので、電動ドライバーで簡単に外せた。
 ビスには多少のサビはあるが、油に浸せば、充分に再利用可能である。


 外した胴縁材は一部腐食が進んでいて、再利用は難しいかもしれない。新しく表側に張る材料は18×105のヌキ材を考えているので、使う場所もなさそう。
 あたりが薄暗くなってきたので、1/8ほどの処理が終わったところで作業を中止したが、時計を見るとまだ17時半。随分と日が短くなった。
 現状の木壁を実際に寸法どりし、傷み具合や工程も考慮して、どれくらいの費用がかかるか、見積もってみた。
 窓の上に張ってあるパネル材に傷みはほとんどなく、下地材としてなら、そのまま使えることが判明。傷みが激しいのは、主に地面に近い箇所の木材だ。あれこれ調整の結果、およそ38,000円でやれそうな感じ。外注した場合の10%程度といったところか。


 目板とその下のパネル材が重なる部分にツタのツルが食い込んだ箇所は、特に腐食が激しい。雨水や融雪水が停滞するせいだろう。交換後にツタをどう処理するか、慎重に検討しなくてはいけない。

 ツタを全面的にやめてしまうことは考えていないので、地面に近い部分の木壁に何らかのカバーをかぶせるとか、ツタが太くならないよう、毎年欠かさず剪定するなど、来年の春までには腹を決める必要がある。まずは壁の張り替えだ。

2013年9月19日木曜日

木壁の全交換下調査

 来月に迫る外壁と屋根の塗装補修工事に備え、南壁のナツヅタを全て根元から切断した。一部はすでに実施済みだが、この状態でしばらく放置しておけば、陽射しで葉が自然に枯れ、始末がしやすくなる。
 暑さも峠を超え、ツタの役目はすでに終えている。時期到来である。

 作業中、ツタが複雑に交叉する部分の木壁が、かなり腐食していることを発見した。一部は下張りした防水シートが見えるほど欠損が激しい。木壁の全交換は来春に実施の予定でいたが、前倒しして10月にやったほうが安全かもしれない。


 ツタのツルを取り払っても、鋼板壁には無数の吸盤が残る。来月に施工予定の屋根&外壁の塗装補修工事で、この吸盤が大きな障害になる可能性があり、手作業でどこまで除去できるか、いろいろと試してみた。

 まず、手頃な木材の切れ端で壁をこすってみる。目立つところはこれでほぼ除去できるが、手でさわると、微妙な突起がまだ残っている。ギターを修理した際に買った金属製スクレバーがあるので、それを使ってみると平坦になることが分かった。
 しかし、強くこすり過ぎると鋼板にキズがついてしまい、加減が非常にデリケート。実際の作業は業者がやってくれるが、何らかの機械を使えば、もっと効率的にやれるかもしれない。ともかく、手作業でも何とかやれることが分かった。
 その後、脚立を最大に延ばして、木壁の全面交換作業の手順を模索。足場が組まれる塗装補修に合わせ、木壁からガルバリウム鋼板張に全面変更することも一時は考えた。しかし、金はないが、暇だけは充分にある我が身。木壁でも14年はもつわけだし、やはり自力で安くやれる木壁にしようと思う。
 どのように補修するのが最善か、ツタの始末とも合わせて考える必要がある。調べてみたら、前回は7年前に18,000円かけて自力でやっていた。今回はその倍くらいはかかりそう。

2013年9月18日水曜日

インタビューが掲載


 先日取材を受けたタウン誌「オトンO.tone」59号に、私のインタビュー記事が掲載されている。「甘いものノスタルジー」という昭和レトロ系の記事で、昨年1年間連載させていただいた「Oh!昭和レトロ」の続編のような内容だ。
 下記サイトから紙版と電子版(PCやスマホなど、全デバイスあり)の両方が購入可能。道内の書店やコンビニでも買えます。(680円)

オトン O.tone vol.59〜特集「甘いもので、一息入れよう」
(私のインタビュー記事は52頁に掲載)

2013年9月17日火曜日

マイクスタンドにPA取付

 一昨日の介護施設敬老会ライブで、ある女性入居者から「怒鳴っているだけ」と決めつけられた我が歌、言われた当初は理不尽で礼儀知らずな言葉と怒りさえ覚えたが、2日経って頭を冷やしてみると、彼女の言い分にも一理あるような気がだんだんしてきた。
 年を重ねて認知症の症状が出始めると、時に人は「遠慮」「慎み」といった社会概念が一切取り払われてしまい、感じるままを率直に口にするもの。

 だとすると、今回の彼女の言葉は、ある意味では的を射たものであったかもしれない。「怒鳴っている」→「PAがうるさい」ととらえ、修正すべき部分は早急に手をうちたい。音は大きければいい、というものではなく、場に応じた音作りが大切ということなのだろう。
 今回の指摘を機に、「場に応じた小さめの音」という意味で、手持ちの乾電池式PAをもう一度見直してみようと思った。20名程度の狭い場なら大型のPAは必要なく、これで充分な気がする。


 より軽く、そして素早く設置と撤収ができるよう、今日はマイクスタンドに木製のホルダーを組み込み、乾電池式PAを直接取付けられないか試してみた。
 木製のホルダーは以前にMDコンポのスピーカーを取付けるために作ったものがある。もはや不要なので、これをリメイクしてアルミのPA用アタッチメントをネジ止め。写真のように出来上がったが、喜んでマイクテストをしてみると、ハウリングが起きてまるで使えない。
 どうやらPAの微妙な振動をマイクが拾ってしまうようで、試しにホルダーを90度ひねってそこにPAをベルトで吊るしてみると、PAの振動がベルトで吸収されるのか、ハウリングは一切起きない。
 この状態で実際に歌ってみると、自分の正面から音が増幅されて前に飛び出すようで、なかなかいい感じだ。喉~マイク~スピーカー~譜面台の中心軸が全てそろっているのは、理にかなっている気もする。
 方向性は分かったので、吊り下げ方式で再度木製ホルダーを作り直してみる。

2013年9月16日月曜日

ダメージから回復

 隣区にあるデイサービス敬老会で歌った。中旬から延々と続く「9日間で5回」という殺人的スケジュールのラストで、ここを乗り切れば敬老月間ライブの大きなヤマは越える。

 とはいえ、かってないほどの失態を犯してしまったのが、つい昨日のこと。そのダメージが癒えぬまま、次なるライブに臨むことになってしまった。たとえ1日でも気分転換の猶予が欲しかったが、どうやらそれは許されない状況である。
 慌ただしく前夜にセットリストを組み直したが、つい気持ちが守りに入ろうとする自分に気づく。季節感など無視し、無難な定番曲を並べてしまおうかと…。しかし、それではかえって状況が悪化する予感もした。悪い時期に守ってはいけない。ここは攻めだ。
 思い直して、いったん決めたリストをゼロクリア。この施設では「聴き手参加型の曲をぜひ1曲」以外に特別な注文はなく、細部は一任されていた。(人にもよろうが、私に限っては自由度が高いほど概ね結果はよい)
 熟慮のすえ、リクエストがない限り、普段はほとんど歌わない難曲、「川の流れのように」をあえて歌うことにする。さらには、このところずっと歌っている聴き手参加型の「幸せなら手をたたこう」を外し、しばし歌っていない「二人は若い」に差し換えて気分転換を試みた。


 台風の余波で早朝からずっと雨。初めて訪れる施設だが、普段よく通る道沿いにあるので、事前調査はしていない。
 会場に入ってステージの位置や客席の配置を確認。幸いなことに、奥行きよりも幅が広い横長の空間で、昨日のような縦長の空間より音が平均して届きやすく、条件ははるかによい。客席の前後スペースにも、充分な余裕がある。
 聴き手は職員を含めて25名程度。利用者の約半分が男性という、介護施設にしては非常に珍しい構成だった。(ちなみに、昨日の施設は利用者と職員の全員が女性)
 予定より少し早く、13時13分からライブ開始。およそ40分で、以下の14曲を歌った。

「高原列車は行く」「瀬戸の花嫁」「リンゴの唄」「バラが咲いた」「二人は若い」「童謡メドレー:夕焼け小焼け・紅葉・赤とんぼ」「高校三年生」「川の流れのように」「浪花節だよ人生は」「ここに幸あり」「青い山脈」「月がとっても青いから」


 前日の反省を踏まえ、この日はPAのメインボリュームを普段より20%ほど絞って臨んだ。聴き手の数が少ないので、大きすぎる音は禁物である。
 反応は決して強いほうではなかったが、何も要求せずとも一緒に歌ってくれたり、自然発生の手拍子も飛び出した。「童謡メドレー」は歌詞指導つきで歌い、普段は2番で止める「高校三年生」も反応がよいので、フルコーラス歌った。

 やや長い正味40分のライブを求められていたので、珍しくMCも長めにとる。「夕焼け小焼け」では、生まれ故郷の少年時代の思い出を語ったりもした。
 場が最高に盛り上がったのは意外にも「浪花節だよ人生は」。この種の場ではおしなべて大人しい男性利用者までもが、拍手喝采。もともとデイサービスでリクエストがあって覚えた曲だが、このことは心に留めておきたい。

 前日のダメージを回復するリハビリ的な側面も多少あった気がするが、大きなキズなく、無難にまとめて責任者からも喜ばれた。
 撤収作業中に利用者の女性から「心に響くやさしい歌声ですね」と労われ、昨日とは正反対の評価だったので、逆にこちらが癒やされた気分になった。
 この女性からは「森進一は歌わないのですか?」とも問われた。ファンだそうで、「おふくろさん」「冬のリビエラ」「襟裳岬」など歌えますよと応じると、「おふくろさん」が聴きたかった。実はリクエストしようと思ってたのよ、今度ぜひ聴かせてね、と再訪の依頼。ありがたい話である。

 前日のダメージからは、この日でどうにか回復できた感じがする。人の好みはさまざまであるということか。

2013年9月15日日曜日

好きじゃない

 近隣のグループホーム敬老会に出演。初めての施設で、依頼はネット経由であったが、「全曲を歌声喫茶ふうに歌詞カードつきで一緒に歌う」という前例のない要望が当初あり、私の手には負えない感じがした。
 協議のすえ、共に歌う曲は3曲に減らして実施することに。ただ、他の曲もすべて事前にリストアップしてチェックを受けるという条件が追加で出された。
 さらには、実施前に会場調査にも来て欲しいとの要望。この種の条件がいろいろ出ることは稀にある。暇な時期なら大きな問題ではないが、折しも2ヶ月で14本という、超多忙スケジュールのまっただ中。

 それでも何とか時間をやり繰りし、先方の要望には全て応じた。当初は入居者9名とその家族が対象という話が、系列の別施設からも参加者がやってくることになり、実施前から難しいライブになりそうな予感がした。


 予め打合せてあった奥の和室にステージ設定。ところが、予想以上に参加者が多く、マイク前ぎりぎりまで椅子がズラリ並んでいる。最前列では音が大きすぎるのが明らかだったので、何とか椅子を下げてもらうようお願いしたが、多くは無理な状況。
 マイクとPAの位置を後方に下げようとすると、今度は左手の壁が邪魔になり、入口付近から全く見えなくなってしまう。結局そのままの位置で始めることにしたが、リスクが高いので、珍しくマイクテストとして数曲歌った。
 入口付近の音はOKだったが、問題は最前列である。「耳が遠いから、多少大きめでもいいでしょう」との声があり、そのまま始めることにしたが、これが最初に犯した間違い。
 人の集まりが遅く、5分遅れの13時35分から歌い始める。ざっと人数を数えると職員を含めて50人近い人で、まさに立錐の余地もない状態。ともかくも、事前提出のリストに従って、40分で以下の14曲を歌った。
(※はリクエスト)(◎は歌詞指導)

「高原列車は行く」「バラが咲いた」「高校三年生」「リンゴの唄※◎」「夕焼け小焼け・紅葉・赤とんぼ◎」「幸せなら手をたたこう」「ここに幸あり」「青い山脈※◎」「お富さん」「月がとっても青いから」「故郷※◎」~「知床旅情(アンコール)」


 場の反応はいまひとつ。よく言えば大人しく、悪く言うなら、まるで乗ってない印象だった。実は直前のマイクテストからそんな予感はあって、他の場ならこの時点で盛大な拍手が湧くのが常。しかし、それが全くない。
 いわば「笛吹けど踊らず」状態のままライブは進んだ。歌詞指導つきの曲「リンゴの唄」でもそれは変わらず、一緒に歌う声はごく少数。ここで力んでも仕方がなく、焦らずに淡々と歌い進めたが、場が最も乗ったのは意外にも中盤の童謡メドレーである。
 多くの方が一緒に歌い出すので、咄嗟に予定を変更して歌詞指導つきに切り替えた。

 場の空気からして、そのまま童謡系の歌を連発すれば、大いに盛り上がったのは間違いない。しかし、ここで事前に提出した曲リストが邪魔をした。一瞬迷ったが、面倒を避けて打合せ通りの曲を歌う選択をした。これが2つ目の判断ミスである。
 弱い手応えのままライブは進み、ラストの「故郷」で少し盛り上がって、どうにか終わろうとしたら、職員から「ぜひアンコールを」の声。場がそんな気分でないことは歌っている本人が一番分かっているのだが、時計を見ると予定より少し早い。いわゆる「時間調整アンコール」である。
 無難な曲でまとめ、そそくさと機材を撤収していたら、職員が一人の女性入居者に「今日はどうでしたか?」と声をかけている。ここで予期せぬ言葉が返ってきた。

「私はこういうの好きじゃないね。ただ怒鳴ってるだけじゃないの」

 そんな言葉は想像もしてなかったのか、職員も思わず絶句。当の私は目の前で片づけをしているが、そんなことはお構いなしだ。足掛け9年の施設訪問活動を続けているが、こんな酷い言葉を直接言われたのは、初めての経験。
「怒鳴っている」という言葉は、つまりPAの音が最前列で大きすぎた、とも解釈できる。ただ、他にもいろいろ不満はあったのだろう。
「赤とんぼ」で涙を流したり、終了後に「また来てくださいね」と声をかけてくれた方もいるにはいたが、たとえ一人にでも「好きじゃない」と言われてしまえば、そのライブは失敗である。

 どのような条件下でも柔軟に対応し、場をうまく収めるのが歌い手としての力量だろう。しかし、それを阻害する外部要因があっては事はうまく進まないし、進めようがない。
 活動9年目にして初めて学ぶものがある。依頼を受ける体勢を、少し考え直してみたい。

2013年9月13日金曜日

幅広いニーズに対応

 都心にある複合介護施設の敬老会で歌ってきた。さまざまなハンディキャップを持つ、20~90歳の幅広い年齢層が共に暮したり過ごしたりする施設で、今回は敬老月間にちなんで、高齢者に的を絞ったイベントである。
 一昨年の新年会に初めて招かれ、昨年は夏祭り、そして今年と3年連続3度目の依頼である。いわゆる「3度目の壁」を破った数少ない例となった。

 歌う曲に対し、さまざまな要望が出るのが特徴で、「幅広い年齢層に楽しんでもらう」という、施設長さんの意向が色濃く反映されている。
 今回は高齢者中心のライブとして数曲のリクエストが出たが、「若い人むけの曲も少し歌ってくださいね」と念を押された。過去に歌った曲との重複を避け、慎重に選曲。リストアップした11曲を事前にFAXし、先方の了解を得た。


 当初の開始予定は12時40分だったが、12時20分に着いたら、早めに始めて欲しいとのこと。すぐに機材をセットし、12時32分くらいから歌い始める。予期せぬアンコールなどあって、結果として約40分で以下の12曲を歌った。(※はリクエスト)

「高原列車は行く」「バラが咲いた」「高校三年生※」「ハナミズキ」「幸せなら手をたたこう」「古城※」「お富さん」「夢一夜」「浪花節だよ人生は」「ここに幸あり」「青い山脈※」~「圭子の夢は夜ひらく(アンコール)」
 3度目ともなると、場内に顔見知りも多数。昼食がちょうど終わったばかりということもあり、楽しく華やいだ雰囲気のなかでライブは進んだ。若い人むけに選んだ「ハナミズキ」「夢一夜」の2曲も、うまく場に収まった。
 聴き手参加型の「幸せなら手をたたこう」「古城」「青い山脈」の配置も適切だったと思う。「古城」は進行プログラムの一部に歌詞を印刷し、先方のリクエストで歌った初披露曲だが、予想以上にみなさんが歌ってくれた。
 平均年齢が若いので、歌詞カードを目で追う作業に違和感がないせいかもしれない。状況次第では、歌詞カード方式も悪くはないことを学んだ。

「幸せなら手をたたこう」の4番で「幸せなら笑いましょう」というシーンがあり、いつもは会場に笑い方を自由におまかせするスタイルをとるが、この日は曲のリズムにぴったり合わせて「ハッ!ハッ!」という声が突然あがり、初めて耳にするパターンだったので、一瞬たじろいだ。
 場内は大いに湧いたが、つられて私も笑いをこらえつつ歌ってしまう。場の雰囲気は壊してなかったので、許される範囲だったろうと自己弁護。


 この日唯一場になじまなかった曲が、ラスト前に歌った「ここに幸あり」。年齢層の高い施設では非常に受ける曲だが、この場では浮いた印象がした。
 結果論だが、この曲はカットして一気にラストになだれ込んでよかった感じだ。明らかに選曲ミス。

 最近会得した「歌詞指導つき歌唱」で「青い山脈」を歌い終えると、期せずして会場のあちこちから「アンコール!」の声。職員の関与しない、いわゆる「真のアンコール」で、この施設ではそもそもアンコール自体が初めてのことだ。
 早めに始めたので、タイムスケジュールには余裕がある。「《圭子の夢は夜ひらく》をぜひに」との曲名指定が会場からあり、「あの曲を本当に歌っていいんですか?」と一瞬耳を疑う。
 暗いイメージなので介護施設系では一度も歌ったことがないが、もともと得意な曲。電子譜面を繰って歌詞を探し出し、ありがたく歌わせていただいた。
 終了後に食事やビンゴ、じゃんけん大会にまで参加させていただき、最後まで宴を見届けることに。過去3回のうちで、今回が一番の手応えだった印象が漠然とだがする。
 自称「ユーティリティ・シンガー」なので、幅広い年齢層の多岐に渡るリクエストにも、ある程度対応できると自負している。細くとも、長いお付き合いが今後も続きそうな予感。

2013年9月12日木曜日

庭仕事没頭

 先週末に玄関側だけやって放ってあった庭周辺の草刈りを実施。いざ始めてみると、思っていたより暑さが堪える。残りを一気に終わらせるつもりが、あと少しのところでダウン。
 気温を調べると25度ほどで、大した暑さではない。しかし、このところのハードなライブスケジュールで、思っているより心身はダメージを食らっているらしい。

 15時近くに妻が勤めから戻ったのを機に、いったん家に入って小休止。軽く仮眠でもしようかと思ったが、寝てしまうと二度と再開できない気がし、冷たい飲み物とオヤツでの休息に留めた。


 16時過ぎになってようやく気温が下がってきた。午前中に洗濯したおいたシーツ類をとりこみ、残った作業に着手。草刈りは全部終わったが、ついでに伸び放題の庭木の剪定もやることにした。
 葉が茂っているので、ハシゴを庭木のどの場所にかけても安定している。いつもは葉が落ちた晩秋にやっていたが、この時期にやるほうが効率的かもしれない。
 かなりの量の剪定枝が発生したが、葉が枯れるまでしばらく放置する必要がある。いつも晩秋にやっていた大きな理由がこれ。しかし、ただ待てばよいだけだ。

 その後きたるべき屋根と壁の塗装補修に備え、南壁を伝うナツヅタのツルの一部も剪定した。こちらはツタの根元をカットしただけで、ツルは撤去せずにそのままにし、葉は壁の上で乾燥させる。
 そうしたほうが葉の乾燥が早く進み、効率的なのである。塗装工事の予定は10月上旬だが、暑さの様子を見つつ、少しずつツタを切ってゆく予定。

2013年9月11日水曜日

かぶり

 先日のグループホームライブで、2番手に出たエイプリルさんの予定曲と私の歌った曲とに2曲もの重複、つまりはかぶりが出てしまった。
 先方の要望通りに1番手で歌い終えたが、会場の片隅でそれを聞いていたエイプリルさん、かなりあせったらしい。男女2人のフォーク系ユニットで、過去に何度もご一緒しているが、こんなことは初めて。
 今回は私も息子とのユニットで出たので、そのせいもある。具体的には「恋のバカンス」「幸せなら手をたたこう」がかぶった。咄嗟に「故郷」「森のくまさん」に差し換えたというが、もし出番が逆だったら、予備を3曲準備していた私たちが無難に対応できただろう。

 介護施設のお祭りイベントで、フォーク系の弾き語りユニットともなると、たとえ20分6曲の構成でも、重複曲が出てもおかしくない。互いの連絡先は知っているので、事前に調整すべきだったと反省。
 実は同じ施設のクリスマス会で、入居者一同が歌った「北国の春」が、先に歌った私とかぶったことが過去にある。望ましいのは、主催者側が事前に予定曲を打診し、重複を避ける配慮をすることだろう。
 事前調整を怠ると、どのような場でもこうした「かぶり」は発生する可能性がある。「クリスマス会」など、楽曲の範囲が隔たりそうな場は特に要注意だ。
 たとえば楽器演奏と弾き語り、あるいはピアノとギターといったように、演奏形態が異なる場合は、重複も大きな問題とはならない。しかし、今回のように双方が「フォーク系・ギター弾き語りユニット」という似た形態の場合は、重複を避けるのが聴き手に対しても親切だ。

 主催者側に調整を期待することが難しい場合、かぶる可能性の低いマニアックな曲を撰択するか、あるいは、面倒でも事前にこちらから動いて自主調整するしかないかもしれない。