2012年9月17日月曜日

30分で13曲

 全国展開の介護施設のひとつで実施された敬老ライブで歌ってきた。最近急増するネット経由での依頼だが、場所は先日小学校同期会をやったホテルのすぐ近くで、車で30分弱の距離だ。
 一昨日の掛け持ちライブで消耗した直後でもあり、気力体力面でかなりの不安があったが、中一日で充分な休養をとったせいか、どうにか回復。冒険はせず、定番曲を中心に無難な構成で臨んだ。

 事前にグーグルストリートビューで充分なイメージ調査をしてあったので、迷わずたどり着けたが、当初は13時40分から開始だったはずのイベントが、10分早まったという。
 到着は13時20分だったので、大きな問題はない。5分で機材の搬入と設置を終わらせ、用意された控室で出番を待った。
 冒頭の挨拶等があり、13時35分からライブ開始。職員を含めて、およそ40名ほどの聴き手である。窓を背にしたステージだったので、やや顔が見にくかったかもしれないが、顔は二の次で問題は歌であろう。
 50代の若年性認知症の方がいるとのことで、少し新しい曲も歌って欲しい、との要望が事前にあり、ほかにも数曲のリクエストがあって、結果として以下の13曲を30分で歌った。(※はリクエスト)

「月がとっても青いから」「さんぽ」「高校三年生」「二人は若い」「草原の輝き」「夕焼け小焼け」「紅葉」「赤とんぼ」「北国の春※」「知床旅情」「丘を越えて※」「故郷※」「炭坑節」


 この日のプログラムは4つあり、合計2時間のうちのトップバッターが私である。後半には職員さんの出し物も予定されていて、ライブ中も人の出入りが激しく、ややざわついた雰囲気の中でライブは進んだ。
 あまり好きではない状況だったが、こんなこともある。ストローク系の曲を多めに用意したので、そんな喧騒を吹き飛ばす勢いで歌い進んだ。

 全体的には大人しい方が多かったが、乗りのいい方が数人いらして、かなり助けられた。例によって中盤には聴き手参加型の「二人は若い」を歌う。たいていは事前にかけ声を練習してから本番に進むが、これで場は一気に乗る。非常に便利な歌である。
「さんぽ」「草原の輝き」は若い方むけに選んだが、高齢者にも問題なく受ける曲であることは分かっている。「フォークも歌って」との要望から、本当は松山千春の「大空と大地の中で」も予定に入っていたが、場の雰囲気から無理と判断。無難な「知床旅情」へと咄嗟に差し替えた。
 今回も電子譜面を使ったが、背後の窓からの光が予想外に強く、電池消耗を抑えるため輝度を下げた設定にしてあったので、やや液晶が見にくかった。ミスはなかったが、途中で設定を変更すべきだったかもしれない。
 中盤の童謡3曲はキーをカポなしで統一し、譜面も1画面に3曲入れて、MCなしのメドレーで一気に歌った。唱歌系の短い曲ならこの技が使える。30分で13曲は普通は歌えないが、こうした工夫と電子譜面があれば不可能ではない。

 終了後、珍しく数名の男性利用者の方から声をかけられた。どの世界でも同じだが、元気がよいのはおしなべて女性。介護施設でも例外ではないが、ここは違っていた。
 残りのイベントも見届けたかったが、次に行くところがあったので、途中退出。この日も真夏のような暑さで、歌いながら汗が噴き出たが、喉の調子はピークに近く、途中一度も水を飲むことなく乗り切った。