2010年11月20日土曜日

フットタンバリン完成

 制作中の足踏み式タンバリンが、早くも完成した。最初のスケッチに従って作った試作品は、木枠を組んでタンバリンを止め、ビスで緩く固定した棒を足で踏んで叩く構造だった。
 しかし、いざやってみると細い棒が踏みにくく、音もがいまひとつで、あえなくボツ。

 試行錯誤しつつ改良を重ねるうち、棒で叩くのではなく、広い板にタンバリンを固定し、下に小さな突起をつけて全体の「ガタつき」を利用してやれば、音は出ることに気づく。
 夜半までかかって作業にふけり、ひとまず完成。構造は非常に単純だが、この種の仕掛けは単純であるほど壊れにくく、使いやすいものである。私の大学での専攻は建築でもデザインでもなく、堅いイメージの機械だが、もしかするとこうした機械屋のシンプル発想は、人生の随所で活きているかもしれない。
 あちこち回り道をしていまここにいるが、人生、無駄なものなどない。


 翌日になって、さっそく演奏してみた。床に接する両端部に音消しの緩衝材としてフェルトやゴム管をつけたり、心臓部である下端の突起に、滑り止めのラバーを接着するなどの改良を重ね、ようやく満足できる物に到達。
 階下で演奏を聴いていた妻からも、「最初より、音が格段に良くなった」と合格点をもらう。
 座っても立っても使えるが、座った場合は左足踵で、立った場合は左足つま先での演奏が最もやりやすく、振幅も大きくなって音もいい。やっていると実に面白くて楽しく、久しぶりの高揚感に包まれている。
 調子に乗ってあれこれ演奏しているが、「真室川音頭」「お富さん」などの手拍子系はバッチリ合う。目下練習中の「カレンダー・ガール」「カントリーロード」「お陽様はどちらから昇るのですか」などのリズミカルな明るいノリの曲にも、当然ながら合う。
「カレンダー・ガール」では、ブルースハープも加えたマルチ演奏も試してみたが、まずまずの出来。練習を重ねれば、月末には間に合いそうだ。

 あまりやっている人はないと思われる足踏み式タンバリン、名づけて「フットタンバリン」としよう。


《2011.1.2追記》
 その後実戦で何度か試すうち、「踏んでいるうちに踏み板がずれやすい」という欠点が見つかった。そこで、つま先がぴったり入るベルト(廃棄品の再利用)を本体に取り付けた。
 タンバリンは身体の前方に置くようになるが、このスタイルが最も安定している。