2010年11月17日水曜日

ハーモニカの封印解除

 ブルースハープ、平たくいえばハーモニカとギターの弾き語り練習をし始めた。ホルダー(手を使わずに首にかけて吹く補助金具)と共に、キーがCとGのブルースハープを手に入れたのが、23歳のとき。社会人として働き始めた直後で、モーリスのギターと同じ渋谷で買った。
 吉田拓郎や井上陽水がギターを弾きながら歌い、前奏や間奏でブルースハープを吹いているのを見て、(俺もいっちょう…)と憧れたのが動機である。

 しかし、実際にはあまりうまくいった覚えがなく、当時作った自主制作テープでも、使ったのはほんの数曲。単体なら何とか吹けるが、「ギターを弾きながら吹く」という同時作業が、私にとっては難易度が高いのだった。


 長い間封印してあったブルースハープとホルダーを取り出し、もう一度トライする気になったのは、最近になって優れた演奏にいくつか遭遇したからだ。
 音楽仲間のTUMEさんの自在な弾き語り、そしてプロの高橋真樹さんが要所で入れる力強い演奏などで、それまで(オイラにゃ歌があるからいいや…)と吹けない自分を強がりで慰めていた気持ちが、ふと前向きに変わった。

 私の基本演奏スタイルはソロなので、前奏や間奏にメロディラインが欲しい曲には、スキャットや口笛をこれまで併用してきた。しかし、時にブルースハープの激しさが欲しくなることが正直いってあった。スキャットはともかく、口笛にはまだ日によってバラつきがある。ブルースハープを身につければ、演奏スタイルの幅が広がるのは確実だった。
「常に新しいものを目指す」がもうひとつの演奏スタイルでもあるので、ここは再挑戦する時期到来であろう。人生、「思い立ったときが出発のとき」である。
 まずはホルダーの手入れから始めた。全体のサビを落とし、調節ネジを調べると、明らかに緩い。セットして吹いてみると、途中でズルズル緩んでしまう。これでは吹けるものも吹けなくなるので、分解してネジ部分にスプリングワッシャーを入れてみた。
 するとガッチリ止まって非常に吹きやすい。うまくいかなかったのはネジのせいかも?などと思いつつ、その後ブルースハープを挟む金具の形状変更や、支持金具の角度変更など、調整を重ねる。

 かなり吹きやすくなったので、試しにギターを弾きながら1曲歌ってみた。以前に練習し、間奏に強いブルースハープの音色があれば…、と感じていたオリジナル訳詞の「カレンダー・ガール」。
 すると、思ったよりすんなりできた。まだ初心者レベルなので、単純な奏法に絞っているが、練習を重ねれば実戦でも使える感じがする。

 その後、調子に乗って簡単な唱歌のメロディを吹きながら、同時にギターも弾いてみたが、こちらはメロディラインが直感的に吹けず、使えるレベルではない。
 小学校の頃は頭にあるメロディが瞬時にハーモニカで吹けたはずなのに、どうしたことか。しばらくは練習の積み重ねが必要である。