11年前の新築時、あまりの緊縮予算で玄関ポーチを作るお金がなく、ブロックやレンガ、そしてセメントをホームセンターで買い集め、自分で玄関ポーチを作った。基礎に砂利を転圧し、ブロックをベースにして一番上にはレンガを敷き詰めた本格的なもの。モルタルを練って目地も自分で処理した。
できあがってみると、仕上がりは粗いが、家本体とのデザインバランスも程よく、それなりに見られる。「素人とは思えない」などと、工務店の担当者にもおだてられ、まんざらでもなかった。
月日が流れ、この玄関ポーチの沈下がじょじょに進んだ。家本体は支持地盤まで深く打ち込まれた24本の杭で支えられているが、玄関ポーチは単に砂利を転圧しただけなので、経年によってどうしてもズレが生じる。
小さなクラックはその都度モルタルでふさいできたが、いよいよ本格的な補修が必要になった。
まず、写真上のような状態だったポーチ端部の目地モルタルを、タガネで叩いて完全に砕く。1センチ以上の隙間が全体にできるので、その隙間を完全に埋める必要があった。
手っ取り早いのはここでモルタルを大量に練り、まんべんなく流してしまうことだ。しかし、アンバランスな沈下は今後も続くはずで、基礎壁とポーチとを必要以上に強固に固めても、あまり意味がない。
そこでこの隙間を小さな砂利と砂でまず埋めることにした。いわゆる「骨材」というものだが、ホームセンターで買うとバケツ1杯単位で、それなりの値段である。いまどき、砂も石もタダで手に入るわけでなく、すべてお金である。
しかし、最近になってこの「骨材」をタダ同然で入手する方法を見つけた。写真中がそれで、不要になったコンクリートブロックのかけらを、漬け物石の上で丹念に砕くのだ。下にシートを敷けば、細かい砂も同時に手に入る。
こうして得た骨材をシート毎運び、隙間に流し込んでゆく。ブロック半分ほどで隙間は埋まったので、水を流して固く締め、最後にセメントを1センチくらい充填し、霧吹きで水を軽くかけてから目地コテで押さえて作業終了。
上端だけをモルタル状にしたのは、砂が風で飛ぶのを防ぐためと、見栄えの2点から。完全なモルタルを目地に埋めるのは相当のキャリアが必要だが、素人レベルで無難なのはこの方式。縦積みの目地には使えないが、横積みならOK。通路のレンガにも同じ手法を使った。
せっかくのDIYも、湯水のように金をかけてはツマらない。普通はゴミとして捨てる物をうまく活用し、節約と資源保護の両方を目指すのが「縄文DIY」の極意である。