2階の傾斜天井は二重になっていて、屋根との間にはわずかな空間がある。空間には350ミリの吹込みグラスウールを充填し、室内側には防湿気密シートを貼って、柱との貫通部分は気密テープで補強処理してある。
しかし、OSB合板の収縮が部分的に激しく、天井支持枠と柱との気密は完全に損なわれているのが現状だった。
以前に同様の問題があった住宅の改修工事をしたことがあり、補修手段は分かっていた。隙間を専用樹脂コーキング材で充填し、さらに細い木材で全周を固定する。これによって気密は格段に改善される。
(ちなみに、周囲の木材は収縮による影響の少ない柱側に固定する)
対象となるのは合計6カ所。他にも火打梁が外壁を貫通している部分が合計12カ所あったが、こちらは背面に空間が全くなく、収縮量も少ない。
まず最初に台所の大型換気扇を使って、怪しい箇所の漏れ具合をチェックした。パッシブ換気口や窓、ドアをすべて閉じ、トイレと浴室の換気扇も同時にオンにする。以前にも同様のテストをしたことがあるが、今回もやはり柱の貫通部のエア漏れが激しく、手をかざすと風の動きがはっきり分かるほど。
火打梁周辺も念のため調べたが、漏れは感じられず、こちらはコーキング材による充填のみにとどめることにし、ひとまず最も作業の面倒な柱周囲を処理することにした。
写真では分かりにくいが、天井が20度ほど傾斜しているので、周囲に固定する木材もその微妙な傾斜にぴったり合うよう、ノミで削って加工しなくてはならない。ここが最も難しい部分だ。
2階の最も高い位置にあるので、脚立の昇り降りを何度も繰り返しつつ、部材の加工を進める。欄間部分に張ってあるスダレの着脱処理や、ついでに天井回りの大掃除までした関係で、夕方までに2カ所を処理し終えるのがやっとだった。
実は補修部材一式は1年も前に買ってあった。しかし、作業は暑い夏場では無理。何やかやで、ここまでずれこんだ。気密が改善されると、家の断熱性能がさらに向上する。この冬の灯油消費量がさらに減るかも?