そんな難しい条件を満たすべく、試行錯誤を繰り返した結果、以下のような方式に落ち着いた。
・端部から9ミリの位置に、4つの穴をパンチで開ける。
・穴の間隔は中央部のみ標準2穴の80ミリ、端部は90ミリとする。
(標準4穴は80-80-80間隔なので、端部のみやや広い)
・2ミリ径のボールチェーン50ミリ長で4つの穴を止める。
箇条書きにしてしまうと簡単だが、ここにたどり着くまでが大変だった。穴の数は当初2穴でやってみたが、端部のめくれが落ち着かない。いっそ30穴に増やそうかとも考えたが、新しいパンチを買わねばならず、二の足を踏んだ。
決定案の4穴方式は、欧米のファイルシステムの標準であり、穴開けは既存の2穴パンチでやり繰りできる。サンプルを作ってみると、何とかやれそうだった。
最も悩んだのが穴を止めるリングで、既存の事務用リングを初め、ホースの輪切りやコードをしばる細いバンドなど、数種類を試した。
「譜面を素早くめくれる」「譜面が脱落しない」「着脱が容易」「直径が20ミリ以下」
これらすべての条件を満たしたのが、キーホルダーやネックレスに使うボールチェーンである。ニッパで長さを任意に切ることで、好きな直径(今回は16ミリ)が得られる。ここが大きなポイントで、大き過ぎるリングは目障りでめくりづらいのだ。
ボールチェーン単体は100円ショップやホームセンターでは見つからず、家中を捜索してどうにか4セットのボールチェーンを発見。実は1本だけ直径が細く、不揃いだが、そのうちきっと見つかるだろう。