2010年10月24日日曜日

記憶のスクリーン

 昨夜は一気に50年もタイムワープして脳がよほど忙しかったとみえ、明け方近くにパッチリ目覚めてしまい、1時間近くも寝つかれなかった。おそらく他の参加者も同じ気持ちでいたに違いない。感性のよい刺激になった。
 一日過ぎて思ったが、私は学校では存在感の薄い人間だったということ。「いまの姿とイメージが一致しない」という評価は、つまりは過去のイメージが薄かったからだろう。リーダー的資質は皆無で、クラス討議では一切意見を言わず、目立ったのは歌の場面だけという存在である。

 しかし、「よくそんな細かいことまで覚えているね」と、抜群の記憶力だけは驚かれた。私の場合、印象的な出来事には、映画のスクリーンのようなものが頭の中に刷り込まれる。(ちなみに、カラー映像である)
 映画なので、動きや音声もちゃんとついている。シーンの冒頭から記憶再生させれば、会話や表情の類いまで、いつでも鮮やかに再現可能なのだ。もしかするとこれはひとつの特技かもしれないな、と昨夜の会話で感じた。
 今日は都心のホテルでアコーディオンコンサートがあるとの案内が音楽仲間のNAKAさんからあり、妻と二人で出かけた。実はこの日、別の音楽仲間のチロリンさんからもライブ案内があったが、全く同じ開始時刻である。芸術の秋たけなわだが、歌う場でも聴く場でも重なったときは先着順が基本である。

 少し早めに家を出て、しばらく顔を出してなかった母の施設にまず向かう。暑い夏だったが、施設はエアコン完備で、自宅よりはるかに快適な夏を過ごせたらしい。血色もよく、すこぶる元気であった。
 持参したミカンを食べつつ、仲良しのK子さんを交えて、しばし昔話にふける。


 40分ほどいて、次なる目的地のコンサート会場に向かう。母の施設に長居しすぎて開始からは少し遅れたが、出入り自由の無料コンサートなので、第2部の冒頭から聴いた。
 前半が演歌、後半がシャンソン中心の構成だったが、やはりアコーディオンにはシャンソンが似合うと個人的には思う。演歌の場合、どうしてもNHKのど自慢の印象になってしまう。

 一人一曲が原則で、プログラムは実に効率よくサクサクと進んだ。演奏者によるMCが皆無に近いので、フォーク系のライブとは全く趣が異なる。進行自体は私の好みだったが、演奏者のテクニックがやや不揃いだった。
 会場は150席ほどで、ほぼ満席。聴き手も演奏者も平均年齢は60歳を軽く超えていたので、技術のバラツキはやむを得なかったか。私も妻もライブに求めるものが少し厳し過ぎるのかもしれない。