2009年4月20日月曜日

墓の補修

 天気が良く、気温も20度に迫る暖かさなので、先月末に帰省した長男と雪の中を墓参りした際、うっかりスコップで壊してしまった花差しとローソク立ての補修に行くことにした。
 出かける準備をしている途中、勤めからちょうど戻った妻の体調が優れないという。ベンチで横になっていたが、昼食を作る気力がなく、吐き気もするというので、やむなく卵がゆを作って食べさせる。
 あれこれ手間取り、家を出たのが14時少し前という遅い時間だった。
 まず最初にホームセンターに寄る。ローソク立ての針にあたる部分を折ってしまい、補修すれば使えるかもしれないと大切に保管していたはずが、いざ探してみるとどこにも見当たらない。
 最近、この種の物忘れが激しいが、もしかすると誤って捨ててしまったのかもしれない。代用品になるステンレス釘を店で探そうというのだ。

 手頃な釘があるにはあったが、100本入りで300円。予備を含めて数本もあればよく、こんなにはいらない。あちこち探したら、直径2ミリ、長さ25ミリのステンレスビスを発見する。8本入り118円で、どうにか代用できそうだった。


 そこから1時間以上もかけ、南に向かって車を飛ばす。霊園に着いたら15時40分で、陽がかなり陰ってきた。すぐに準備にとりかかる。

 まず、墓の前にシートを敷き、花差しの台座の裏に残った固定材をカナヅチで慎重に除去する。用意した浴室タイル用の目地パテ材を水で練り、ステンレスの台座の裏にていねいに塗り込んだ。
 墓石のくぼみを水で濡らしたあと、台座をはめ込む。その後、内側から押さえの目地材をさらに塗り込んだ。内と外の両側からパテ材ではさみ、固める方式だ。
 花差しを仮置きしてみると、ぴったりである。はみ出したパテ材を雑巾で拭き取り、作業終了。
 ローソク立ての補修は花差しに比べて面倒だった。針の代用に買ったビスはほぼ同じ大きさだったが、御影石に固定する部分の加工がうまくいかない。折れた針の根の部分がどうしても除去できないのだ。
 途中であきらめて、ローソク立ての周囲をぐるりとパテ材で覆うことにした。完全に固まればこれでぐらつくことはないだろう。
 後片付けと掃除を終えたあと、用心してローソク立てだけガムテームで仮固定した。

 修理の総費用は、ガソリン代を別にすれば、目地パテ材とビスで500円くらい。霊園の担当者には事前に連絡してあったが、「自分で直すのは難しいのでは…」と、実は言われた。
 作業の感じとしてはタイル職人風。DIY難易度は10段階中の3程度で、そう難しくない。何より、「自分の手でやる」という行為そのものに意味がある。