2008年12月3日水曜日

髪を切る

 久しぶりに妻の髪を切ってあげた。私は結婚以来34年、妻はいまの家に引っ越してから10年近く、一度も理容室や美容室に行っていない。

 単純にお金が惜しいこともあるが、メンドウくさいとか、理容室や美容室のカットは趣味に合わないだとかの理由もある。妻の髪は私が、私の髪は自分が切る。(つまり、すべて私が切る)結果的に、これまで軽自動車1台分くらいの金を節約したことになる。

 慣れるまではトラ刈りもどきもあったが、いまでは誰も素人が切っているとは思わないとか。ちなみに道具は専用ハサミ1本で、クシは使わずに指で髪を少しずつつまんで丁寧に切る。
 自分の髪はかなり少なくなってきたこともあって、手探りで簡単に切れる。
「髪を切る行為」というのは、実は男女のコミュニケーションとしてかなり有効である。なぜなら髪は皮膚の一部だからで、電車の中で赤の他人の女性の髪に意図的にふれると、立派な痴漢としての犯罪になることでもそれは立証できる。
 ときどき冗談半分で妻の友人から、「私の髪も切って」と頼まれることがあるが、こうした理由から、固くお断りしている。納豆チヂミなら作ってあげますが。

 そういえば「夕映えの髪」というオリジナル曲をかなり以前に作ったが、自宅コンサートでたった一度歌ったきり。ずばり、私が妻の髪を切る歌である。
 5分を超える長い歌だし、究極のラブソングでもあるので、そう滅多には歌えない。ただ、歌の底に潜む世界を敏感にキャッチし、高く評価してくれた方がごく少数いたので、いつかまた歌う機会をうかがっている。
 来年の「還暦・自宅コンサート」でなら歌えるかな。

♪「髪を切ってよ」と君が言う…