2008年12月19日金曜日

怖い顔

 年末を控え、終日さまざまな書類作りと、その発送手配に励む。構造偽造に端を発した建築士法の改正により、設計事務所を管理する建築士には、3年に一度の講習を受けることが義務づけられた。その第一回が来年あるらしく、申込み書類作りがやたら面倒である。
 たった一人のシガナイ設計事務所でも、社会的責任のある立場であることには変わりなく、煩雑な作業と丸1日をつぶしての講習、そして15,750円の講習費用はやむを得ない出費である。

 申込書には過去6ヶ月以内に撮影した写真を3枚添付する必要があり、あいにく手持ち分がない。デジカメのセルフタイマーを使って急きょ何枚か写したが、そのどれもがパッとしない。妻にも見てもらったが、「どうしていつもそんな怖い顔するの?」と言われた。
 しかし、管理建築士の講習なのだから、ニヤケた顔で写るより怖い顔のほうがマシだろうと自分で自分を慰め、比較的まともな1枚を選んでプリントした。


 仕事柄、証明写真の類いは定期的に必要になり、過去のストックを調べてみたら、デジカメ対応になった分だけでも3枚あった。上の写真の左から古い順で、免許証のバケモノ顔ほどではないが、確かにどれもなぜかコワ~イ顔。ほとんど指名手配写真である。

 一番左の写真は数年前に地域のミニコミ紙で取材されたときにも使ったが、近所に住む知人から、「記事はいいけど、あの写真だけはイタダケない」と不評だった。表情が硬過ぎるとのことで、つまりは、「コワ~イ」ってこと。
 性格なのか、笑った写真自体があまりない。ましてや証明写真である。笑ってなどいられようか。
 サッカーが好きなのでJリーグチームの選手写真をよくネットで見るが、どういうわけだか、一様にみなニヤケ顔で写っているのはなぜだ?
 おそらくは経営陣の要求から、サポーターむけの柔らかい表情を作っているつもりなのだろうが、サッカーは闘うスポーツなのだから、無理矢理こびる必要はないのだ。自然体でいい。

 この4年間の証明写真を3枚並べてみたが、月日の流れの割には、あんまり変わっていない。怖い顔はさておき、そこだけはちょっと安心した。
 以前、写真加工で薄くなってきた髪の毛を少し足してみたり、広くなった額の位置を下げてみたりしたが、まるで自分らしくないマヌケ顔。すぐにやめた。良くも悪くも、「いまの自分の姿」を潔く認めねばならぬ。