家に戻ってしばらくすると、職場の別の友人が「ピンポ~ン」と我が家にやってきた。これまた顔見知りのKさんである。
「妻は旅行ですけど…」と告げると、独り留守をする私のために、いただき物の帯広名物スイートポテトをわざわざ届けに来てくれたそう。あまりのことに、ただただ恐縮した。ふと思いつき、冷蔵庫に保管してあった分のリンゴを包んで手渡した。
妻が旅行で不在でも、職場のチームワークは夫が仲立ちしてちゃんと保たれているという不思議。「チーム・デリカ」のパワー恐るべし。
土曜日のクリスマス訪問ライブで「ポニョ」を歌うべく、グループホームに電話を入れた。何組かの出し物があるので、まず歌の重複がないかどうかを確かめたかった。あいにくホーム長さんは非番で不在。しかし、顔見知りの職員の方が電話にでて、いろいろ相談に乗ってくださった。結論として重複はなく、「ぜひとも歌ってください」。女性職員と一部臨時ユニットを組んで歌う件もほぼOKが出た。
電話を切ったあと、不意に新レパートリーを増やす気になった。これまで何度もチャレンジして断念していた「ウィンターワンダーランド」で、クリスマスそのものを歌ってはいないが、クリスマス定番曲として定着している。
これまで歌えなかったのは、完全な歌詞が入手できなかったこと、さらにギターのコードがうまくつけられなかったからだ。
今回、ネットで歌詞を再度検索してみたが、適切なものがやはり見つからない。英語訳は豊富にあるが、私が欲しいのは日本語訳で、しかもサビの部分が「粉雪が舞うけれど、身体は暖かい~♪」と歌っている歌詞だ。
小さい頃にNHKの児童むけ番組で確かに聞いた覚えがあるのだが、どうしても分からない。やむなく、それに近い歌詞にサビの部分だけ記憶を頼りに替えて歌うことにした。
さて、次はギターのコードである。Aメロには何とかコードをつけたが、問題はサビの部分で、ネットで見つけた音源を何度も繰り返し聴きつつ、ギターで音を探る。
AメロはなぜかD#という半端なキーで、つまりは3カポのCである。最初の転調はEであることが判明。私もしばしばオリジナル曲で用いる転調の定番のようなものだが、サビの2フレーズ目がどうしてもうまく合わない。
あてずっぽうであれこれ弾くうち、ようやくGに再転調していることに気づいた。通して弾いてみると、原曲にピッタリ合う。やった!
それにしても、C→E→Gの2段階転調とは恐れ入った。サビの終わりには、ちゃんと無理なくCに戻している。
この曲は後世に残る名曲だと思うが、シンプルで親しみがあり、覚えやすいAメロに加え、この粋で大胆な2段階転調のワサビがピリリと利いている。これが大衆に広く長く受け入れられている大きな秘密であろう。