2019年8月10日土曜日

心機一転リスタート

 4月末に初めて歌ったサ高住から再び招かれた。活動を仲介するNPO法人からは、「今後シーズン毎に歌って欲しい」という要望が前回終了後にあり、半信半疑でいたが、その言葉通りの依頼だった。

 施設がオープンして間もないこともあってか、非常に大人しい場という印象が前回ライブであり、消化不良に終わった記憶がある。
 なにが受けるのか、つかみきれない部分もあって、前回との重複を避けつつ、夏関連の歌を慎重に選曲。新旧や異ジャンルの曲を取り混ぜた苦心の構成となった。
 13時45分に着いて10分後にはスタンバイし、館内放送後に入居者が三々五々と集まってくる。開始は前回と同じ14時10分。45分で14曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「二輪草」「お富さん」「バラが咲いた」「二人は若い」「恋のバカンス」「牧場の朝」「我は海の子」〜(休憩)
「上を向いて歩こう」「いい日旅立ち」「山小舎の灯(初披露)」「浪花節だよ人生は」「青い山脈」「また逢う日まで」


 聴き手は20数名で、出だしから場は静ひつ。しかし、手拍子を遠慮がちに膝の上でする方がチラホラいて、曲に合わせて歌う方もいたりし、前回より手応えはあった。
 ライブの途中から参加する方が複数いた反面、「恋のバカンス」が終わると場を去る車椅子の女性がいて、(曲の傾向が新しすぎたか…)と、一瞬ドキリとした。

 予定時間45分の半分を過ぎた時点で休憩を挟んだのは、危機感からくる咄嗟の判断。ちょうどお茶が用意されていて、タイミングとしてはよかった。
 休憩を利用して、簡単な自己紹介をする。活動を始めた時期の失敗談なども披露して、場をつかむには効果的だった。
 この短い休憩が効いたのか、後半の手応えはぐんとよくなり、ラスト前の「浪花節だよ人生は」では、ついに自然発生的な手拍子が飛び出す。終了まで席を立つ方は皆無だった。(ライブは自由参加である)

 時間に多少の余裕があり、終了前にリクエストを募ったが、互いに顔を見回すばかりで、具体的な声はない。
 そこでラストに得意の二択リクエストを仕掛ける。「懐メロVS昭和歌謡」と称し、「青い山脈」と「また逢う日まで」の2曲を拍手で選んでもらったが、不思議なことに判断が難しいほど拍手の数が拮抗。
 最終的に一部を省略して2曲とも歌ったが、この趣向がまたまた受けたから、なにが幸いするか分からない。


 施設の要望通り45分で終えたが、「よかった〜」「涙が出た」との声が複数あがる。機材を片づけながら、構成の苦心などを語りつつ、さらなる場との交流を図る。「シーズンごとに来て欲しい」との要望があるので、聴手とのコミュニケーションは欠かせない。

 そうするうち、「アンコールをぜひ」との声が期せずしてあがった。機材はほぼ片づいていたが、ノーマイクでも…と応じる気でいたら、担当の方が「次回のお楽しみということで」とまとめてしまう。時計がすでに15時で、次のスケジュールが詰まっていたらしい。
 しかし、前回の消化不良を完全に克服する出来だったことは間違いない。1ヶ月ぶりのライブで、直近のライブは15分遅刻という失態をやらかすトラウマがあったが、喉の調子も抜群によく、心機一転リスタートが切れそうな予感がする。