ところが今回のは位置が中心に近く、白い物を見るとかなり邪魔くさくて鬱陶しい。指圧など試みるが、改善の兆しはない。
夕方になって薄暗いトイレにはいったとたん、同じ左目に今度は小さな光が動いた。目の玉を動かすたびに、左隅から上へと走るように素早く動き回る。こちらは過去に経験がなく、目をつぶっても同じ症状なので、ただ事ではない気がした。
ネットで調べると、眼球の動きに伴って光が走るのは光視症の疑いが強く、それに飛蚊症が伴う場合、網膜に亀裂や孔が空く「網膜裂孔」という病気らしい。
放置すると網膜剥離に進行し、やがては失明するという、恐ろしいことが書いてあるではないか。
9年前に右目の瞼裏側に腫瘍ができて、手術でとってもらった眼科が近くにある。連休にさしかかるので、この種のことは早めの対応が肝心と、午後からでかけた。
眼科まで片道4キロほど。眼底検査をする可能性が高く、そうなると車の運転はできない。天気はよいので、自転車で行くことにした。
14時40分に着いて受付を済ませたが、待ち時間が1時間以上だという。待合室も大混雑で、受付に断って、近くの100均ダイソーで時間をつぶすことにした。
指定時刻に病院に戻ると、ほどなくして各種検査が始まる。一通り終わったあとは、眼底検査用の点眼薬を何度かに分けて点眼。しばし時間をおいたあと、16時45分頃にようやく診察室に通された。
先生は私のことを覚えていてくれて、さっそく眼底検査が始まる。症状があるのは左目だけだが、念のため両方とも検査。その結果、網膜にはキズや孔などの異常はなく、部分的に薄い箇所があって、それが飛蚊症や光視症の症状として出ているのだという。
加齢によるもので、特に治療の必要はないが、1〜2年ごとに網膜の状態を検査する必要があるらしい。
問題があった場合はレーザー治療となり、その覚悟もしていたが、ひとまず回避できて安心した。今後の定期検診は、いわば大腸ガンや胃ガンの検診と同列のものと腹をくくるしかない。要は年をとったということだ。
治療費は2,440円(3割負担)と案外安い。目薬が効いていて夕方の街の光が眩しく、ピントがぼやけて周囲がよく見えない。ゆっくり自転車を走らせ、要所では降りて押して歩き、家路についた。