2018年5月27日日曜日

歯がゆいライブ

 車で15分ほどの近隣にあるデイサービスで歌った。初めて行く施設だが、先月歌ったデイサービスの系列で、ライブ中に電話があって受話器越しに歌を聞きつけ「ウチでもぜひ歌って」と依頼された。
 実は施設長さんとは系列別施設で一度お会いしている。依頼ルートとしては、紹介&リピートの混在型か。

 開始15分前に施設に到着。顔見知りの施設長さんは不在だが、他の職員さんに話は通っている。予定の14時に準備が整って始めようとしたら、最前列の女性が急にトイレに立った。職員さんの要望でしばし待つことにする。
 用が済んでいよいよ始めようとしたら、別の男性がまたトイレに。さすがに2度目なので今度は待たずに始めることになった。
 2分ほど遅れて開始。およそ1時間で17曲を歌う。(※はリクエスト)
「北国の春」「おかあさん」「港が見える丘」「バラが咲いた」「二人は若い」「高校三年生」「みかんの花咲く丘(歌詞指導)」「夜霧よ今夜も有難う」「つぐない」「浪花節だよ人生は」
「川の流れのように※」「与作※」「王将※」「箱根八里の半次郎※」「荒城の月※」「小樽のひとよ※」「青い山脈」


 聴き手は30名強。他施設に比べて特徴的なのは男性の比率が高いことで、2〜3割はいた。そのせいかどうかは分からないが、全体的に場が大人しい。1曲ごとの拍手はそれなりにあるが、曲紹介での歓声や、自然発生的な手拍子が皆無に近く、ライブの進行は難しいものとなった。
 4日前に別のデイサービスで歌って大好評だったセットをベースにしたが、歌い手は同じでも聴き手の構成や職員の対応などで、ライブはガラリと変わる。それがライブの怖さであり、面白さでもある。

 予定を咄嗟に変更し、4曲目に「バラが咲いた」を追加して、「幸せなら手をたたこう」を「二人は若い」に差し替えた。場が傾聴型ではないか?と判断した結果だが、これが正解だったかどうかは分からない。
 手探り進行の中でも比較的反応がよかった曲は、「みかんの花咲く丘」「夜霧よ今夜も有難う」あたり。「夜霧よ今夜も有難う」は男性にも受けた。


 30分が過ぎたあたりで、いつものように場からリクエストを募る。3曲目まではすべて男性からのリクエストで、女性とは傾向の違う曲を求められた。そもそも男性のリクエスト自体が珍しいこと。
 その後はリクエストが途切れ、開始45分が経過したのでラストの曲に移って終わろうとすると、なぜか職員さんの待ったがかかり、盛んにリクエストを募っている。ところが、なかなか声があがらない。じっとスタンバイして待ったが、やや場の気分が冗漫になった。
 各テーブルを回るうち、ようやく女性からの声がいくつか出て、さらに3曲を歌う。この時点で1時間弱が経過。無理をするとまた喉を傷めるし、要望には十分応えたので、こちらから声をかけ、打ち切りとさせていただいた。
 進行等の都合でリクエストに応えられなかった曲は、「ふたり酒」「下町の太陽」「きよしのズンドコ節」「歩」「お祭りマンボ」など。

 退去時には利用者の方々から自然に拍手が湧いたので、そう悪いライブではなかったと思う。しかし、最後まで場をつかみきれない歯がゆさが残った。