2018年5月18日金曜日

マンネリ打破

 昨年4度歌わせていただいた近郊都市のカフェで、半年ぶりに歌った。短期間で歌い尽くした感があり、さらなるライブは難しいものと思っていたので、再度の依頼があったときは正直驚いた。
 ごく普通のカフェだが、地域に根ざして40年余りも続けていて、大半は地元固定客。経営者は私よりやや上の年代で、本格珈琲が300円と利用しやすく、形態としてはいまふうの地域カフェに限りなく近い。中高年世代がターゲットの私の活動形態と、おそらく相性がよいのだろう。

 いつものように13時に家を出る。前回、ライブ中に弦が切れるというアクシデントに見舞われたので、今回は用心して予備ギターを積んだ。そのほか、毎回ゲストとして1〜2曲歌ってくれるお店の常連S子さん用として、昨日作ったばかりの予備電子譜面ホルダ一式も持参。
 13時半に先方に着いて、挨拶もそこそこに設営に入る。サブマイクのテストも無事に済んで、定時の14時からライブ開始。
 前半はおよそ40分で10曲を歌う。(◎はオリジナル)

「涙そうそう」「サクラ咲く◎」「港が見える丘」「宗谷岬」「アカシアの雨がやむとき」「あなたに会いに◎」「恋の町札幌」「僕の胸でおやすみ」「夕凪ワルツ◎」「バラ色の人生」


 聴き手は普段より少なめの10名余。出掛けに降り始めた雨が次第に強くなり、客足に影響したと思われたが、途中から参加する方もけっこういて、最終的には15名程度とまずまずの集客となった。

 マンネリ化を打開するべく、今回は要所にオリジナル曲を歌ってメリハリをつけようと画策した。構成には季節感を重視するので、特に前半では春のイメージを重視した。
 オリジナルの「サクラ咲く」からカバー曲の「港が見える丘」へと続く流れは、惜しむ春という共通のキーワードがあり、ピタリはまった。場の反応も熱い。
 バラード系の曲を多めにし、ストローク奏法で歌った曲は「涙そうそう」「宗谷岬」「恋の町札幌」の3曲のみ。その3曲も情緒性が強く、全体の芯は通っていたと思う。
 最初の依頼があった1年前は、風邪で体調を崩して声がまともに出ないという最悪の体調だったが、今回は3月から始めた風邪対策が功を奏したか、喉の不安はなく、キーも普段通り。
 出だしの数曲でややノリの悪さを感じたが、歌い進むうちに徐々に回復。あっという間に前半を終えた。


 10分休憩後に後半開始。出だしでお店常連のS子さんにゲストで歌ってもらったが、あいにく冬場の骨折で体調が充分でないそうで、今回は1曲限定となった。
 この曲が奇しくも予備曲として準備していた「君をのせて」。リハーサルの類いは全くなく、休憩中にキーと前奏からの入りを確認しただけだったが、今回が4度目のコラボとあって、無難にこなした。文字を拡大表示させた予備電子譜面も「見やすい」と好評。
 以降は私のソロに戻り、計40分ほどで10曲を歌う。(※はリクエスト)

「君をのせて(コラボ)」「大空と大地の中で※」「思い出のグリーングラス※」「浪花節だよ人生は※」「酒と泪と男と女※」「吾亦紅※」「つぐない※」「野ばら(メドレー)」「はがゆい唇」「また逢う日まで」
 回数が重なるにつれ、聴き手はリピーターが大半となり、それはライブ進行のやりやすさと難しさの両面で悩むことを意味する。歌い手としては常に新しいものを見せていかないと、やがて飽きられてしまうだろう。
 リクエストにひと通り応えたあとは新境地展開を意図し、クラシックの「野ばら」と高橋真梨子の新しめの曲「はがゆい唇」を歌ったが、これは当たって好評だった。
 前半ラストの「バラ色の人生」もそうだが、リクエストはあまり出ないが自分の得意な曲は、オリジナルも含め今後うまく配置していきたい。

 終了後、「よかったね〜」という声が場から複数あがる。歌いながらも手応えを感じていたが、「マンネリ打破」を意図したライブは、おおむね思惑通りに運んだようだ。
 帰り際にママさんから7月のスケジュールを訊かれる。なんと、早くも次のライブ依頼なのだった。2年目に突入したカフェライブ、もしかすると春夏秋冬定例化の気配がないでもない。
 いつまで歌い続けられるか分からないが、まずは目の前にあるライブをひとつひとつ誠実にこなすことだ。