2018年5月25日金曜日

カラスの巣が消えた

 町内会の緊急回覧があり、自宅東側土手に10数本自生するアカシアの大木が伐採されるという。作業日が今日から3日間で、朝9時早々にけたたましいチェーンソーの音が鳴り響いた。
 アカシアは20mを超す高さで、数年前から特定のカラスが営巣するようになった。何かの拍子に巣を見上げたらしい私と妻が、子育て中のこの時期ずっと襲われるようになった。

 ゴミ出しや散歩、買い物などで巣の下を毎日通らねばならず、子ガラスが巣立つまでは晴れていても傘をさして防衛。
 いったん「敵」とみなすと、カラスは死ぬまで同じ人間を覚えているらしく、毎年この時期になると憂鬱な気分にさせられていたが、そのカラスの巣はいったいどうなるのか。

作業進捗状況50%くらい

 10時くらいの時点ではまだカラスの営巣する木は切らずに残っていた。人を襲うカラスとはいえ、鳥獣保護法の対象なので、やはり子育てが終わるまで残すのか…、と思っていたが、2時間後にはその木も倒されて跡形もない。
 作業はレッカー車を使ってやるので、ものすごく早い。開始直後から親ガラス2羽が木の回りを鳴きながら飛び回っていたが、作業員はヘルメットで完全武装。チェーンソーの騒音に恐れをなしたか、襲う様子は全くない。

 2階から双眼鏡でのぞいてみたが、巣やヒナのゆくえは分からない。カルガモ親子ならば交通を遮断してでも通行を確保してやるが、嫌われ者のカラスだと、おそらくそうはならないのだろう。


 夕方に現地を確かめに行ったら、大半の木は片づいていて、すっかり様子が変わっていた。遠くにはヒナの姿でも探しているのか、地面を歩く親ガラスの鳴く声。

 今回の伐採で、少なくとも今年はカラスに襲われる可能性は低くなった。高い木が周辺になくなったので、来年以降は営巣そのものが難しいのではないか。
 襲われなくなるのは素直にうれしいが、巣とヒナが一瞬にして消え去った親ガラスたちが、ちょっと気の毒に思えてくる。