年末にも挨拶をかねて面会に行くつもりが、37.4度の微熱が出て、またまた断念。健康でなければ、介護もままならないということ。
少し遠回りして近くの六花亭に寄り、職員さんへの差入れ用菓子を買う。施設に着くと、母は食堂のいつもの席でリハビリを兼ねた包帯巻きの軽作業に励んでいた。まず職員さんに挨拶し、手土産を渡したら、大事な話があると応接ロビーに案内された。
担当責任者の方2人がやってきて、ここ数日で夜のトイレが1時間おきと異常に多く、夜間担当の職員が対応できないほどだという。
回数が多い割に量はごく少なく、膀胱が過敏な状態らしい。尿検査でも雑菌が多くみられ、要はトイレの後始末がきちんと出来ていないということだ。
昨年後半にトイレで転倒したこともあり、原則としてトイレには職員が付きそってくれるが、夜でも自分ひとりで済ませようとするらしく、動作が不安定で危なっかしく、いつまた転倒してもおかしくない状態らしい。
清潔を保てるウォッシュレット使用は、職員が付き添っても断固拒否。誘導に対しても時に拒否反応を示す困った状況で、対応策として今日から尿の雑菌を減らす薬を飲み始めたが、もし数日飲んでも効果が薄ければ、次は睡眠導入剤を処方したい、という要望だった。(睡眠導入剤には家族の了解が必要)
施設に入る以前から、あらゆる面で偏屈な性質を抱えこんでいて、これは身内でも全く対応できない。施設の職員さんはプロだが、そのプロでも時に持て余すほどだという。こちらとしては平身低頭、ひたすらお世話をお願いするしかない。
話が終わったあと、食堂に行って母の隣りに座り、こんにちはと挨拶するとちゃんと返してくるが、「誰だか分かりますか?」と問うても、「誰だか分からん、忘れた」との返答。あなたの息子ですよと続けても、息子だって?と怪訝そうな顔を見せるだけで、包帯巻きの手だけは忙しく休ませようとしない。
認知症状が一段と進んでいるのを感じる。たまたまだが、面倒な話が早めに済ませられて、面会のタイミングだけは絶妙だった。