2017年9月30日土曜日

小中学生の積極参加

 札幌南端にある町内会の懇親会で歌った。ネット経由で初めて依頼されたが、場所は偶然3日前に歌った小規模多機能施設のすぐ近く。前回と同じ経路をたどって約束時刻の10時45分に到着した。
 会場は地域の福祉センターで、私の出番は2番目だった。開始予定は11時15分だったが、トップ担当のマジックが早めに終わってしまう。機材の設営はすぐに終わったので、予定を早めて11時から始めることになった。

 聴き手は20名ほどで、事前に聞いていた高齢者中心という情報よりかなり若い。小学生2名と中学生1名が参加していて、男女比は3:7程度。懇親会の開催自体が初めての試みということで、主催者側も歌う側も手探りの難しい進行になった。
 結果として、予定を15分オーバーの1時間で17曲を歌う。
《セレクトタイム》
「高校三年生」「少年時代」「矢切の渡し」「荒城の月」「思い出のグリーングラス」「恋のしずく」「いい日旅立ち」

《リクエストタイム》
「365日の紙飛行機」「大空と大地の中で」「糸」「五番街のマリーへ」「赤いスイートピー」「サン・トワ・マミー」「酒と泪と男と女」「天使のウィンク」

《うたごえタイム》
「世界に一つだけの花」「青い山脈」


 聴き手の嗜好が全く読めないので、前半の構成は町内会が中心になって運営している介護予防事業に準じたものにした。
 昭和歌謡、フォーク、演歌、唱歌、洋楽と幅広いジャンルを歌ったが、当初予定していた演歌系の「人生いろいろ」は小中学生が参加するという事前情報からまず削除。当日の雰囲気から、「星影のワルツ」も難しいと判断して飛ばした。

 喉の調子は悪くなく、歌い進んでも不安はなかったが、聴き手の反応は全体的に固い。参加者がこうした場に不慣れで昼食直前の空腹な時間帯、という要素も多少は関わっていたかもしれない。
 7曲歌って25分が経過。持ち時間は45分だったので、ここでリクエストを募ることにする。進行の方も不慣れな様子だったので、私自身がリクエスト一覧を配ることにした。
「リストを見てゆっくりお考えください」と告げ、その間に1曲歌ってつなごうとしたら、最前列に座っていた小学生の女の子2人から、いきなりAKB48のリクエストが飛び出す。以降順調にリクエストが出て、進行は俄然やりやすくなった。

 中ほどにいた女子中学生から「糸」や松田聖子のリクエストが次々に出て驚く。それに引っ張られるように大人のリクエストも続いたが、この種の場としては珍しく、演歌系はゼロ。もしかすると積極的な小中学生の声に、大人が多少遠慮したのかもしれない。
 最後に全員で数曲歌う予定があり、持ち時間から差し引くと、リクエストタイムは15分程度のはずだった。しかしリクエストが止まらず、予定を早めて始めたこともあって、次々とお応えすることに。


 時計はいつの間にか11時50分を回った。昼食に食い込んではさすがにまずいので、進行の方に声をかけてリクエストを打ち切ってもらう。

 最後の「うたごえタイム」は6曲の候補があり、歌詞カードもすでに配られていたが、時間の都合で2曲のみとなる。小学生の強い要望から、まず「世界に一つだけの花」を歌う。ラストの「青い山脈」は進行の同年代男性の一声で決まった。
 ちなみに、他の候補4曲は「365歩のマーチ」「故郷」「紅葉」「幸せなら手をたたこう」だった。
 場の反応は終始大人しく、「大いに盛り上がった」とは決していえないものだった。しかし、リクエストが次々に出て予定をオーバーしたという事実は、そう悲観するものではない。
 反省としては、もう少し大人の聴き手に声をかけ、隠れていたニーズを引き出すべきだったかもしれない。とはいえ、次の町内会、引いては次の時代を担う子供たちが積極的にライブに関わってくれたのは、それなりに評価していいと思う。

 10〜80歳という幅広い聴き手が対象という難しさはあったが、小中学生にもリクエスト展開が充分通用することが分かったのは、思いがけない収穫だった。