2017年9月4日月曜日

赤れんがで千客万来

 旧北海道庁赤れんが前広場で再び歌った。8/17に続く今年2度目の「赤れんがアーティスト」の活動である。
 前回は強い風と小雨の悪条件だったが、今回は風もなく穏やかな好天に恵まれた。30分単位で予約出来ると知り、過去の経験から13:30〜15:30の現実的な時間帯を選択。

 この日は私を含めて6組のアーティストがエントリーしたが、手続きを済ませて広場に行くと、いつも正門前に陣取っているジャグリング系のアーティストの姿が全く見えない。
(2組がキャンセルで、1組は動きのない人間彫像を見落としたらしい)
 昨年騒音のクレームがあった道議会は開催予定がなく、愛食フェアがあるはずだったが広場に店舗はなく、閑散としている。


 前回は天候のせいもあって集客は大苦戦だった。そこで今回はこれまで一度も歌ったことのない赤れんが正門に近い場所で歌うことにする。事務局から許可されているギリギリの位置だったが、かねてから人の流れが多いように感じていたので、集客に期待した。
 背面に位置するジャグリング系の活動と干渉しないよう、スピーカーは建物側に向けた。
 設営にやや手間取り、14時ちょうどから歌い始める。夏から秋へと移り変わる季節を意識した曲から順に、結果として休憩なしの1時間20分で23曲を一気に歌った。

「冬が来る前に」「竹田の子守唄」「ダニーボーイ」「どうぞこのまま」「赤い花白い花」「アカシアの雨がやむとき」「亜麻色の髪の乙女」「アメイジング・グレイス」「池上線」「いちご白書をもう一度」「糸」「異邦人」
「思い出のグリーングラス」「異邦人(リクエスト)」「カントリー・ロード」「北の旅人」「エーデルワイス」「Godfather愛のテーマ」「オー・シャンゼリゼ」「ケ・セラ・セラ」「恋人よ」「サン・トワ・マミー」「昴」


 前回より天候や歌う位置の条件がよいので、通りを行き交う人の姿はそれなりにあったが、7曲目の「亜麻色の髪の乙女」までは立ち止まる人は皆無で、まるでノレンに腕押しの反応だった。

 8曲目から路線を変更し、予定になかった「アメイジング・グレイス」を歌い始めると、2人の若い女性が立ち止まって熱心に聴いてくれる。終わるとさかんに拍手をくれた。路上ライブでの拍手はいい兆しである。
 続けて歌った「池上線」もずっと聴いてくれた。終わってから「日本の方ですか?」と尋ねると、怪訝そうな顔をする。どうやら通じていない。
「Where  are you from?」と言いかえると、「中国デス」と日本語で返ってきた。洋楽の反応がよいのは、やはり外国人に多い。思った通りだった。
 これをきっかけに、立ち止まって聴いてくれる人が続出した。聴き手の国籍がよく分からないので、洋楽系の曲を意識して多めにした。
 その後は終わるまで聴き手が途切れることはなく、歌い終わるごとに拍手をくれたり、声をかけてくれる人が多数。路上ライブでこれほど反応がよいのは、実に久しぶりのこと。

「思い出のグリーングラス」を家族で聴いてくれた女性から、「最後しか聴けなかった。大好きな曲なので、ぜひもう一度」と、「異邦人」のリクエストをもらう。チカチカパフォーマンスと異なり、ここではリクエスト一覧は置いていないが、初めて出たリクエストなので、ありがたくお受けした。


 50分歌ったところで、車に同乗してデパートを散策していた妻が現れる。1時間歌ったらやめると告げてあったが、聴き手が途切れないので、なかなか打ち切るきっかけがつかない。
 場所は15時半まで借りているので、時間的な余裕はある。カメラを渡して演奏中の写真を適当な位置から撮ってもらうことにした。

 騒音問題が気になり、この日はPAのボリュームをぎりぎりまで絞り、全体の6割以上をバラード系の静かな曲で通した。おかげで騒音とは無縁の世界。
 途中でジャグリング系のアーティストが現れ、70Mほど離れた正門前でパフォーマンスを始めたが、相互干渉することなく、それぞれのペースで演れた。
 後半の30分を見届けた妻から、「PAの音が小さすぎたかも」「以前より声が細くなったかも」とダメ出し。おそらくその両方が正解だ。
 5月末からの長引く夏風邪のダメージで、以前より声が出なくなった自分を感じる。風邪の影響のほかに、たぶん喉の老化も始まっているのだと思う。

 とはいえ、それでも多くの人が立ち止まって耳を傾けてくれた。これを励みに、声帯の鍛錬に励んで喉の老化防止に務めたい。
 いろいろ迷ったが、歌う場所やPAのボリュームは今回をひとつの基準にしたいと思う。諸事情で今年の路上ライブはこの日がおそらく最後。久しぶりだったが、やはり路上ライブでないと得られないものが確かにある。細くとも続けていきたい。