放送大学は文部科学省が設置した通信制の大学で、各種単位や学位の取得も可能。テレビやラジオ、インターネットなどで講義を受けられる。
会場は北大構内にある北海道学習センター。文化祭は火曜から5日間に渡って開催されており、ステージ発表は最終日の13〜17時まで実施される。
部外者が北大構内に入るには厳しいセキュリティチェックがあり、今回出入りできたのは北13条門だけだった。ゲートで係員に行き先と目的を告げ、受付票と駐車カードをもらう。必要事項を記入し、担当部署で確認印をもらって帰りにまたゲートで手渡し、駐車カードを入れて500円を払う仕組み。
市民に広く開放されているのが大学本来の姿だと思うが、不逞の輩がはびこるご時世なので、これもやむを得ないことか。
開始40分前に無事に到着し、ステージのある6階へと向かう。演者は計5組で、私の出番はラスト。ちょうど3組目が始まったところで、控室で機材を組み立てて準備する。
出番の15分前に会場となる会議室に入り、場の雰囲気をつかむことにした。広い部屋に参加者は少なく、ざっと30人ほど。
16時40分に手品が終わり、ただちに機材を運び込んで設営にかかる。普段は講義に使っていると思われる10センチほどの段があり、ほどよい高さだった。
予定より3分早い16時42分から開始。聴き手の嗜好がよく分からなかったが、中高年が中心であることは確かだったので、叙情系の曲を中心に20分で7曲を歌う。(※はリクエスト)
「高校三年生」「赤い花白い花」「空に星があるように」「ダニーボーイ」「恋の町札幌」「空港※」「青葉城恋唄※」
聴き手の7割以上が男性で、女性は数えるほど。全く予期しないことで、他の会場ではあり得ない男女比だった。難しい進行を覚悟したが、いざ歌い始めると、反応は決して悪くない。まるでそんな展開を予期していたかのように、選んだ5曲は男性歌手の曲が大半だった。
1曲目で喉の調子が抜群にいいことを感じた。夕方の時間帯だったことと、今週に入って4度目のライブで、じょじょに声帯が復調してきたのかもしれない。
歌い進むにつれて、聴き手の意識が糸のようにピンと張り詰めて、こちらに向かってくる気配を感じた。こんな感覚は久しくなかったこと。会場の反響がよく、チカホの北4条広場に近い感じだったことにも救われた。
4曲目を終えた時点で、「リクエストを募るように言われていますので、時間の許す限りお受けします。最後の曲を歌う間に考えておいてください」と告げる。
「恋の町札幌」を歌い終えてリクエストを求めると、「空港」がまず飛び出した。歌い終えると「わが人生に悔いなし」「銀座の恋の物語」と、複数の声が上がる。なんと、どちらもたったいま歌ったばかりの裕次郎の曲である。
得意曲でもあった「恋の町札幌」の出来がよかったので、(もっと裕次郎を…)となったのかもしれないが、あいにく「わが人生に悔いなし」はレパートリーになく、「銀座の恋の物語」は一人で歌っても味気ない。
そうするうち、「青葉城恋唄」の声が上がる。リクエストが止まらない雰囲気になったので、進行の方の判断をあおぐと、「ではこれが最後の曲ということで」と決着がついた。
盛況のうちに終了。会場にいたR子さんのほか、見知らぬ方からたくさんの声をかけられた。R子さんが連れてきた若い女性はお腹に赤ちゃんがいるそうで、
「菊地さんの歌に反応して、ポンポン蹴ってましたよ。いい歌はお腹の子にも分かるんですね」と喜ばれた。
(「歌にお腹の子が反応した」と聞かされるのは、これで3度目)
参加者が疲れてくる時間帯で、聴き手は苦手な男性が中心だったが、うまく運ぶときは不利な条件など吹き飛ばせるものと実感。強く推薦してくれたR子さんの面目もつぶさずに済んで、喜ばしい。
「菊地さんの歌に反応して、ポンポン蹴ってましたよ。いい歌はお腹の子にも分かるんですね」と喜ばれた。
(「歌にお腹の子が反応した」と聞かされるのは、これで3度目)
参加者が疲れてくる時間帯で、聴き手は苦手な男性が中心だったが、うまく運ぶときは不利な条件など吹き飛ばせるものと実感。強く推薦してくれたR子さんの面目もつぶさずに済んで、喜ばしい。