苦手な午前中ライブだったので、早めに起きて準備。発声練習を中心に軽めのリハで備える。
施設はやや離れた都心近くにあったが、先週会場調査に行ったので、大きな問題はない。路面は一部凍結していたが、渋滞に巻き込まれることもなく、40分強で現地に着いた。
施設には一般棟と介護棟の2つがあり、同じ構成で2週に分けて歌うことになっていた。この日は介護棟の誕生会余興。演奏時間は普段より短めの20分である。
11時少し前に会場に着いたら、すでに多くの方々が集まっていた。その場で機材をセットし、11時10分ころまでにスタンバイ。当初は11時20分開始の予定だったが、聴き手も職員の方々もすでに全員集まっている。予定を10分前倒しして始めることになった。
アンコールを含め、およそ25分で8曲を歌う。
「高原列車は行く」「瀬戸の花嫁」「愛の讃歌」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「星影のワルツ」「青い山脈(全員で)」「月がとっても青いから(アンコール)」
聴き手は30名ほど。初めて歌う場なので、構成での大きな冒険は避けた。3曲目の「愛の讃歌」は介護施設ではあまり歌わないが、シャンソンとしては広く知られているし、最初の打合せで担当職員の方から望まれて入れた曲だった。
出だしの数曲は手探りの進行で、反応もやや弱い。場のタイプとしては明らかに「傾聴型」である。そんな静かな場が大きく動いたのが、4曲目の「幸せなら手をたたこう」から。
施設の形態から、静かな展開はある程度予想していたので、全7曲の中ほどに唯一参加型のこの曲を配置したが、なかなか効果的だった。施設長さんを先頭に職員さんも積極的に参加誘導してくれて、場は大いに盛り上がる。以降はその勢いでラストまで上り詰めた印象だった。
ラストの「青い山脈」は施設側が準備してくれた歌詞カードを全員に配り、曲間での歌詞指導もあわせて行った。
アンコールは事前に施設側と打合せてあったもので、いわゆる「お約束アンコール」だったが、場の雰囲気には充分沿うものだった。
職員さん主導の手拍子も入り、この日最高の盛り上がり。展開次第ではシットリ系の「ここに幸あり」で歌い納めることも考えていたが、その場の判断でこちらを選択して正解だった。
終了後、「いい歌でした」と、入居者や職員の方々から喜ばれる。短時間の午前中ライブという難しさはあったが、無難に乗り切れた。