いわゆる「3度目の高い壁」も軽々と越え、もはや家族的とも思える親密な関係が続く得難い場となりつつある。
定期的に依頼されるのは大変ありがたく、歌い手冥利につきるが、問題はライブが度重なることによる「慣れ」と「飽き」。
デイサービスの利用者は3つほどのグループに分かれてはいるが、私の歌を目当てに利用日を変更する音楽好きな方も多いと聞く。主に歌い手の問題である「慣れ」は、自分のコントロールで克服可能だが、聴き手側の問題である「飽き」に対する対策は、今後回数を重ねるにつれて重要な課題になってくるだろう。
都合6回目となる今回は、そうした慣れや飽きからくる緩みに打撃を与えるべく、過去に例がないほど思い切った構成で臨んだ。
およそ1時間で17曲を歌ったが、うち初披露が4曲で、リクエスト曲が7曲。こんな冒険が可能なのも、施設との強い信頼関係があるからに他ならない。
「東京ブギウギ◎」「瀬戸の花嫁」「おかあさん(森昌子)※」「浜辺の歌」「二人は若い」「嫁に来ないか◎※」「酒と泪と男と女※」「まつり」
「長崎の鐘※」「上海帰りのリル◎」「夜霧よ今夜も有難う」「人生一路」「北の旅人(南こうせつ)※」「憧れのハワイ航路※」「愛燦々※」「昔の名前で出ています◎」「丘を越えて」
(◎は初披露、※はリクエスト)
1曲目は先日のサ高住夏祭りでリクエストが出た曲。当時はレパートリーになかったが、その後覚えて調子のよいリズムが1曲目に使えるのでは…、と判断した。
ところがいざ歌い始めると、聴き手の手拍子が歌にうまく合わない、という予想外の問題が起きた。いわゆる「前打ち」では合わせにくく、「後打ち」だとうまく合う。しかし、この「後打ち」が高齢者には難しいのだ。
その後の曲で持ち直したが、大事な1曲目に実績のない曲を選ぶのは避けるべきだと痛感した。
以降の場の反応はまずまず。リスクの多い初披露の曲は、実績ある曲やリクエスト曲の間にうまく散らした。「上海帰りのリル」「昔の名前で出ています」は今後も使えそうな感じだ。
前半部、「酒と泪と男と女」までのリクエストは、事前に担当の方から打診のあった曲。「長崎の鐘」は前回のリクエストで応えられなかった持ち越し曲。「北の旅人」以降のリクエストはその場で出たものだった。
「酒と泪と男と女」は前回もリクエストが出たが、聞けば同じ方から再度のリクエスト。余程気に入ってもらえたらしい。
「酒と泪と男と女」は前回もリクエストが出たが、聞けば同じ方から再度のリクエスト。余程気に入ってもらえたらしい。
介護施設系でこれほど多くのリクエストに応えたことは過去に記憶がなく、このところ手がけている地区センターやチカチカパフォーマンスでのリクエスト中心の手法に沿うもの。
リクエスト中心の我が方向性、しばらくは止められない。