2015年6月24日水曜日

パソコン通信からSNSへ

 インターネット登場以前のネットワーク黎明期に、「パソコン通信」という媒体があったのを知っている方は、もはや少数かもしれない。ウィキペディアによると、全盛期は1980年代後半から1990年代にかけて、とある。
 パソコンとモデムをつなぎ、電話回線経由でホスト局サーバに接続。ニフティに代表されるパソコン通信サービス会社が提供する各種サービスを利用した。

 当時人気があったのは、「フォーラム(会議室)」と呼ばれる掲示板のようなサービス。各自がハンドルネームでコメントを記し、「シスオペ」と呼ばれる仕切り役が中心になって、それぞれの会議室をまとめていた。
 私が最初に利用したパソコン通信は、「MSX」というビギナー用の安価なPCを使った「LINKS」という媒体。中高生対象の会議室が多かったが、確か4〜5年は参加したはずだ。
 のちにMacを買ってからは、先にふれた「ニフティ」に切替えた。文学系の会議室に参加し、芥川賞作家の川上弘美さんとも少しだけ交流があった。

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 1995年末にインターネットを初めてからは、このパソコン通信からは一気に遠ざかった。パソコン通信では別の部屋に分離されていた画像や音源ファイルが、テキストと同時に表示されるようになり、テキスト中心のパソコン通信が、まるで色あせたものになってしまった。
 私がパソコン通信と関わった期間は、およそ7年ほどである。

 インターネットで登場した「掲示板」というシステムは、実はパソコン通信時代の「会議室」という概念に限りなく近い。
 SNSの急速な発展により、いまやその掲示板も風前の灯で、ホームページ上に掲示板を置いているサイトは減る一方である。やがてパソコン通信同様に消え去る運命かもしれない。
 しかしそのSNSとて、やっていることは会議室やら掲示板と大きな違いはない。ネットワークの発展により、より早く、より美しく、より簡便になっただけに過ぎない。

 かってはパソコン通信の会議室で様々なトラブルがあったもので、仕切り役として「シスオペ」の役割が重要だった。しかし、最近のSNSでは、その「シスオペ」に相当するものが存在せず、各自が各自の責任で表現する仕組みに変わっている。
 コントロール機能のない、ある種の「野放し状態」ともいえ、SNS系のさまざまな社会的トラブルが30年前の黎明期に比べて、飛躍的に増えているのもうなずける。

 PCやスマホの向こうで情報を発しているのは、自分と同じニンゲンである。世界はどんどん進歩しているように見えるが、ニンゲンそのものが考えたり行動したりしていることに、それほど大きな変化はないように思える。