2015年6月17日水曜日

アートな一日

 事情でキャンセルのあったらしい余興ボランティアのピンチヒッターとして、とある特養ホーム誕生会で急きょ歌うはずだった。ライブスケジュールは詰まっていたが、困ったときはお互いさまである。
 ところが昨日の午後になって再度の緊急連絡があり、施設内で夏風邪がまん延し、誕生会そのものが中止になってしまったという。すでに歌う曲目も決め、FAX送信までしてあったが、先方の計らいで全く同じ要領で来月の誕生会で歌わせてもらえることに。

 気を張って準備していただけに、やや力が抜けてしまったが、ぽっかり予定が空いた今日は、札幌市民ギャラリーの「全道展」を妻と観に行くことにした。
 全道展の正会員である小学校恩師から、いつもこの時期に案内をいただいている。


 絵画から始まり、版画、彫刻、工芸など、多数の作品がびっしりと並んでいて壮観である。受付でもらえるパンフレットで数えてみたら、実に500近い作品が出展されていることを知る。

 順路に従って観て回ったが、いつもは2階にある恩師の作品は、今年は入口近くの1階に飾られていた。近年ずっとテーマにされている漁婦を描いた力作である。
 確か今年で80歳になられるはずだが、定年退職後にご主人と共に始めた絵が、いまや自宅で教えるほどの腕になっている。人生、始めるのに遅すぎるということはないのだ。


 そのご主人を昨年亡くされ、昨年だけは出展を見送ったが、今春の私のコンサートでお会いした際、「絵はこれからも続けます」と、気丈に語っておられた。
 年をとっても打ち込むことがあり、それを通して社会参加ができるのは、幸せなことだと思う。私も見習いたい。
 帰路、ちょうどお茶の時間と重なったので、かねてからチェックしてあったギャラリー併設のカフェ「茶廊法邑」へと向かう。自宅からの経路は分かりやすいが、中心街からだと道が複雑で、かなり迷った。
 外観からはカフェだとは容易に分からない不思議な造りで、入口も通りからは全く見えず、迷路のようなコンクリート塀を通ってようやく辿り着く。


 傾斜天井と室内が全て地窓、店内家具もすべてオリジナル設計という、アート感覚満載のカフェだが、残念ながら店内の撮影は不可。ケーキセットのみ撮影OKだったが、什器類もすべてオリジナルというこだわりようである。

 ブルーベリーをベースにしたケーキは非常に美味しかった。フルーツまでついていて、900円の価値はある。静ひつで仄暗い店内も落ち着ける。私たちにしては贅沢をしたが、たまにはこんな店もよい。