2015年6月7日日曜日

聴き手との一体感

 近隣のデイサービスから招かれて歌った。通算3度目、今年に入って2度目だが、曜日が変わるので利用者もガラリと入れ替わる。曜日を越えて聴きにくる方も多少はいるが、全く別の場と考えて臨むべきだった。

 開始15分前に施設に着いたが、今回は担当のヘルパーさんもこれまでとはガラリ入れ替わっていて、知っている顔は相談員のKさんくらい。
 時期はずれの寒さのせいで利用者に風邪が急増し、参加者は予定より10人ほど減ったとかで、15人前後の少人数だった。いつもは30名を超すのでPAは2台準備して行ったが、急きょ1台でやることにする。
 14時からライブ開始。リクエストや予期せぬアンコールなどあり、予定を大幅に超えて65分で18曲を歌う。(※はリクエスト)

「憧れのハワイ航路」「知床旅情※」「お富さん」「瀬戸の花嫁」「幸せなら手をたたこう」「三百六十五歩のマーチ(初披露)」「われは海の子」「時の流れに身をまかせ」「夜霧よ今夜も有難う」「東京ドドンパ娘」
「たなばたさま※」「バラが咲いた」「神田川※」「川の流れのように※」「上を向いて歩こう※」「高校三年生」「花笠音頭※」「東京ラプソディ(アンコール)」


 特に休憩は設けなかったが、1曲目の「憧れのハワイ航路」から10曲目の「東京ドドンパ娘」までが前半、リクエストが中心の「たなばたさま」以降が後半という位置づけである。
(「知床旅情」は予定曲とリクエスト曲とが偶然一致)

 これまでと違って全体的に場が大人しく、ニギヤカ系よりはしっとりバラード系の曲が反応がよい。ここ数回続いている「手探り的進行」にまたまたなってしまったが、いつものように聴き手参加型の「幸せなら手をたたこう」で俄然場の反応がよくなってくる。
 初披露の「三百六十五歩のマーチ」でも「ワンツー!」の歌詞で拳を上げてもらう、という趣向をこらしたが、こちらも場を乗せるには絶好だった。
 以降、尻上がりに場は盛り上がる。いつも50分近く歌う場なので、25分過ぎに休憩タイムを設けようかとMCで探りを入れたが、「もっと聴きた〜い、どんどんやって!」との応え。結局休みなしで突っ走ることに。

 最前列の女性から突然飛び出した「たなばたさま」は、レパートリーにない曲。しかし、簡単な童謡なので1番なら何とか歌えると、即座にお応えした。
 後半のリクエストは、開始前に相談員のKさんからメモで渡されていたもの。ちなみに、「神田川」は「ぜひ聴きたい」とのKさんからの要望である。

 リクエストにも一通り応え、「上を向いて歩こう」で終わりにするつもりでいたが、いちど燃え上がった場は簡単に収まりがつかない。
 求められるままに予備曲を歌い続けたが、前回リクエストが出て歌えず、その後会得した「花笠音頭」で今度こそ終わりだろうと思っていたら、「たなばたさま」のリクエストを出した最前列の女性が、歌い終えたとたんに指を1本立てて「もう1曲お願い!」と叫ぶ。

 後半は力の入る曲を連発し、やや疲労感に襲われていたが、気力をふり絞って「東京ラプソディ」を歌う。
 このラスト曲が最高の盛り上がりで、サビの「楽し都〜♪」で聴き手から「ミヤコ〜♪」との合いの手が、何の打合せもなしに飛び出す。こんな経験は初めてのことだ。
 最後は声もかすれ気味だったが、ともかくも聴き手と歌い手とが一体感を持ち、楽しい時間を共有することができた。