2015年6月2日火曜日

キクの花の縁

 昨秋に西側の裏庭で、ライラックの根元に白い菊の花が咲いているのを見つけた。ひな菊のようだったが品種がよく分からず、植えた覚えもない。
 キク類は宿根草なので、根で増えるはずだ。鳥が種で運んできたとも思えない。周囲の空地にも、同種のキクは見当たらない。

 いまひとつ腑に落ちなかったが、せっかくどこからかやってきた花なので、ありがたく玄関横にある菜園と車庫スペースの間に移植することにした。


 たいして期待してなかったが、その白いキクが春の訪れと共に一気に生長し、あっという間にたくさんの白い花を咲かせた。裏庭よりも陽当りの条件がよかったせいだろうか。
 ネットで調べても、相変わらず品種は分からない。ひとまず「野菊」としておこう。そもそもキクは私の名字の一部であったはずが、なぜかこの15年、庭で育てたことは一度もなかった。これも何かの縁であろう。
 裏庭から丸ごと移植してきたつもりでいたが、その裏庭にも同種のキクが多数ツボミをつけている。どうやら根の一部がまだ残っていたようだ。
 こうなればさらに移植を続けて、野菜だけで寂しい印象の玄関横を白菊で埋めてしまおうか。


 その後の調べで、キクは挿し芽で簡単に増やせることが分かった。はっきり記憶にないが、花が枯れてしまった切り花のキクを肥料にするべく、裏庭に捨てたことが過去にあったかもしれない。
 仮にその茎の一部が根づいたのだとしたら、大変な生命力ではないか。なんだか嬉しくなってきた。
(その後の調べで、その旺盛な繁殖力や色などから、北海道指定外来種の「フランスギク」である可能性が高いことが判明。徹底駆除することにした)