「開かれた場」という意味では、そもそもチカチカパフォーマンスがそうである。一時はチカチカで完全リクエスト形式のライブをやろうかとも考え、具体的なリクエスト曲の一覧も作った。しかし、実施には二の足を踏んだ。
共演者の関係で、持ち時間は正味25分。最初の数曲は聴き手が少なく、リクエストを募っても中途半端で終わる可能性がある。
やるなら、もう少し定着性の高い場。持ち時間も最低1時間は欲しい。考えたのが、2年前に視聴覚室を借りきって自主企画ライブをやった近隣の地区センター。費用はかかるが、そこを借りてオープン形式のリクエストライブを仕掛ければ、それなりに人は集まるのではないか?
11月は例年ライブが少なく、自主企画ライブを仕掛けるには絶好の時期だ。思いつくままに企画書をまとめ、リクエスト曲一覧は、かねてからチカチカパフォーマンス用にとまとめてあったものを転用した。
午後になって地区センターに電話し、アポを取る。幸いに顔見知りの館長さんがいて、応対してくれた。
ところが、当初計画していた視聴覚室を使ったオープンライブは、ルール上できないことが判明。たとえ無料開放でも、不特定の人を受け入れるイベントは、政党や企業、宗教団体等の広報に利用されかねず、公的空間である地区センターでは禁じられているというのだ。
ちょっと困ったが、すかさず館長さんが「ロビーを使うなら問題ないですよ」と言う。今年から断続的にやっているロビーコンサート形式で、内容の審査はあるが使用料もかからず、私の企画の主旨にも合うという。
そうするうち、「いっそ地区センターの主催でやりましょう」ということに。渡りに船の話だったが、以前に観たロビーコンサート形式では、あまりに会場が広すぎて演りにくい感じがした。
そこで、かねてから構想にあったロビー奥にある展示ギャラリーではどうかと提案。ロビーの延長だが、奥まった場所にあって人の動線からも分離した静謐な空間である。昼間なら照明なしでも高窓から光が落ちて明るい。
館長さんを伴って実際にその場に行き、光の具合やステージの位置、客席の配置などを確認すると、いいですね、とOKが出た。
イベント名は私が持ち込んだ「叙情歌サロン」で即決。他のイベントとの重複を避けつつ、広い客層を期待できる期日として、12/6(土)の14〜16時に演らせていただくことになる。
会場で配布するリクエスト曲一覧は地区センター側でコピーをとってくれ、別スタッフによる有料カフェコーナーまで設けてくれるという、有り難い話。この地区センターでは、4年前からいろいろなイベントで協力させてもらっているので、そうした実績も取り計らいに大きく作用しているのは間違いない。
休憩をはさみつつ、35〜40分のステージを3回。合計25曲程度歌うことを想定している。同じ地区センターでは、夏祭りで「昭和歌謡リクエストタイム」という企画に出演し、まずまずの結果だった。
今回は7ジャンルに分けたリクエスト曲が180曲あって、規模がはるかに大きい。しかも単独イベントである。リスクはあるが面白く、そして新しい。そこが魅力。