いくつか試したいことがあって、今年2度目のチカチカパフォーマンスに参加。3連休ラストの午後枠にぽっかり空きがあって、急きょエントリーした。
激しい雪による交通渋滞が予測されたので、初の試みとして、最寄りの地下鉄駅近くの駐車場に車を停め、そこから地下鉄経由で会場入りした。
スーパーで買物をすれば3時間まで無料なので、真冬には便利と思われたが、駐車場から地下鉄駅までの歩道は除雪が充分でなく、キャリーカートは雪上を「引きずる」感じである。
あれこれ手間取って、家を出てから会場に入るまでの時間は、直接都心に車を乗り入れる場合と大差なかった。ガソリン代や地下鉄代、駐車料金等を総合的に考えると、かかる費用も大差ないが、豪雪時のライブには有効な手段である。
この日のパフォーマーは3組で、私より先に会場入りしていた小樽のプロギタリスト、浜田隆史さんがまず最初に演奏。休日午後の割当て時間は11~14:30だが、午前の部が少し押していて、始まったのは14時40分。
20分ほどで浜田さんが切り上げようとしたので、横で聴いていた私が「もう少しやってください」と進言。もう一人のパフォーマー、鼻笛の互久楽さんはまだ会場に現れず、聴き手も集まり始めたころだった。
その後3曲ほど演奏し、2番手の私にバトンタッチ。14時17分から歌い始め、「演歌」を切り口に、25分で8曲を歌った。
「柳ヶ瀬ブルース」「ラブユー東京」「夜霧よ今夜も有難う」「つぐない」「宗右衛門町ブルース」「氷雨」「寂しくなんかない(オリジナル)」「人生いろいろ」
この日もうひとつ試したかったのは、小型の乾電池式PAを直接床に置いて歌うこと。これまでずっとカメラの三脚に取り付けて歌ってきたが、会場がマルチビジョンのない北4条広場。5日前に大型のPAを直接床に置いて歌い、まずまずの結果だったことに勇気を得て、思い切ってやってみた。
専用の支持金具を自作し、自宅スタジオで充分テストしてあったが、予想以上に歌いやすくて驚いた。ハウリング皆無で、集客にも大きな変化はない。今後はずっと床置き式でやれそうな感じがする。
豪雪と3連休最終日、さらには成人式が重なったせいか、通りを往く人の数は多いが、若い人が中心。私のターゲットである中高年は除雪疲れで、街に繰り出す人は少なかったようだ。
そんな中での演歌構成は、やや無理があったかもしれない。幸いに「聴き手ゼロ」の時間帯はなかったが、最大で10数人という静かな雰囲気だった。休憩中に浜田さんとも話したが、
集客に一喜一憂せず、淡々と自分のペースで演るのがストリートライブの極意、ということである。
(浜田さんは小樽運河で、数百回のストリートライブ経験がある)
他の2ステージをはさみ、16時45分くらいから第2ステージ開始。奇しくもこの日は、エントリーした3組がすべて音楽系。チカチカパフォーマンスが始まった3年前には考えられなかったことで、ちょっとした音楽ミニイベントの感である。
第2ステージは趣向をガラリ変え、久しぶりにシャンソンを中心に歌い進めた。予定では全8曲をシャンソン系でまとめるつもりでいたが、4曲を歌った時点で、最初からずっと聴いてくれていた中年夫婦から、突然声がかかる。
「リクエストしてもいいですか?」
「なんでしょう、曲にもよりますが…。シャンソンですか?」
「それが、フォークをぜひ聴きたいです。《ふきのとう》か《かぐや姫》を…」
虚をつかれた感じがした。この時点で歌い終えていた曲は「ろくでなし」「バラ色の人生」「冬よ来い(オリジナル)」「詩人の魂」。正統派シャンソンである。だが、譜面台に吊り下げた看板には、確かに「フォーク」の文字も書いてある。一瞬迷ったが、せっかくのリクエストなので、応えることにした。
まずは得意の「風来坊」をフルコーラス歌う。すると、若い人もじょじょに集まってきた。実はオリジナルの「冬よ来い」あたりから、声の調子がだんだんよくなってくるのを感じていて、この曲で一気に気分は乗った。
出入口そばにある広場は非常に寒く、用心してタイツをはいていたが、それでもギター弾く手が凍えるほど。歌い進むことによって、ようやく体温が上がってきたらしい。
その後、「あてもないけど」「うちのお父さん」「突然さよなら」と、かぐや姫を3曲続けて歌う。「うちのお父さん」はご主人のリクエストで、5年ぶりにくらいに歌ったが、大きなミスなく演れた。
奥様の好みはふきのとうで、この2組の歌は多くの場でリクエストを貰う。突然の要請だったが、電子譜面を駆使して対応し、喜んでもらえた。