「1組2曲、10分以内」「マイク&PAなし」「予約不要」「途中参加、途中退出可」「入場無料(ワンオーダー)」「食べ物持込み自由」という基本路線は同じで、この日は新年に相応しく、参加者と主催者が一体となった大喜利をライブ後に楽しもう、という趣向。
本格ライブとは異なる自由なスタイルで、練習をかねた度胸試しにはまたとない機会である。最近弾き語り活動を始めた音楽仲間のミツルさんにも声をかけ、一緒に参加した。
18時10分ほど前に会場に着いたら、ミツルさんはすでに到着していた。スタッフの方々に紹介などするうち、すぐに開始時刻の18時となる。
1番手はクラシックのギタリスト、伊藤ケンイチさん。過去に2度ステージをご一緒している顔なじみである。出演順は特に決まってないが、会場に着いた順に演ずるのが慣例になりつつある。
この慣例通りだと2番手はミツルさんとなるのだが、あまり場慣れしていない身なので、私が先に歌うことにした。
前回は全4曲を暗譜して歩きながら歌う、という私にしては離れ業を試みたが、この日は普通にステージとして設定された場所で、電子譜面を見ながら歌った。
ギターは生音での鳴りがよいヤマハのエレアコAC1Mを持参。1巡目はビートルズのオリジナル日本語訳でまとめ、「イエスタデイ」「オブラディ・オブラダ」を歌う。
実はギタリストの伊藤さんが最初に「イエスタデイ」を演奏していた。他のビートルズに差し替えようか一瞬迷ったが、趣向としては逆に面白いのでは?と考えなおし、予定通りに歌った。
慣れた場なので、出来としては可もなく不可もなし、といった感。参加者はじょじょに増え始め、スタッフを含めて10名ほどといったところ。これもいつものシーンである。
3番手にミツルさんが登場。我が家で先月セッションをやってはいるが、それはあくまで仲間内の楽しみの範ちゅう。この日が事実上の初ステージで、かなり緊張している様子がうかがえた。
叙情演歌が得意のミツルさんらしく、曲目は「別れの一本杉」と「細雪」。ボーカルはよく通り、譜面を準備していたので歌詞のミスも皆無だったが、緊張からか、ギターのタッチミスが多少あったように思う。しかし、全体としては堂々の初ステージである。
その後、臨時ユニットによるギター弾き語り、キーボード弾き語り2組が続き、1巡目終了。時計はおよそ19時あたりで、合計6組が1時間で演じ終えたことになる。まさにドンピタの正確な進行で、なかなか気分がいい。
(時間に厳密であることは、ライブ企画運営の基本と私は考える)
2巡目に参加したのは、ギタリストの伊藤ケンイチさん、私、そしてミツルさんの3組で、他に新たなユニットが1組参加した。
私の2巡目は19時10分あたりから。「サン・トワ・マミー」「雪が降る」のシャンソン2曲を歌った。この日は全て洋楽でまとめたが、これは叙情演歌を歌うミツルさんとのメリハリを意識してのこと。
ミツルさんは私と同世代で、他の参加者から見れば、2人の年齢が突出した存在。似たような曲調はなるべく避けたかった。
2曲とも完全暗譜しているのでステージを離れ、スタジオ横の空きスペースをゆっくり動きつつ歌った。昨年やったスタイルと同じだが、やはり譜面を見ずに歌うのは、自由度が高い。そのせいか、声も1巡目よりは出た。
その後、ミツルさんが2巡目として鳥羽一郎と三橋美智也の「達者でナ」を歌う。場にもかなり慣れた様子で、1巡目よりも気分が乗っていた。譜面から時折目を離し、会場をうかがう余裕も見られた。やはり慣れ、場数は大事である。
19時45分にステージが終わり、20時から仲間内での大喜利が始まる。シナリオが用意されているのかと思いきや、各自アドリブ連発で対処していた。
用事のあるミツルさんはステージ後に帰り、私はオーディエンスに徹して、カフェ名物のおでんなど美味しくいただきつつ、最後まで楽しませてもらった。
大喜利の終了は21時10分で、厳しい氷点下の道を急いで帰宅。術後初めてマイクなしの場で思い切り歌ったが、全く不安なく演れた。この日で術後のリハビリは終了、と考えていいような気がする。その意味では、まさに「快気祝ライブ」であった。