さっそく試してみる。何事も同じ場所に漫然と留まっていては、進歩から遠ざかる。改良すべき点があるなら、すぐに実行すべきであろう。
MOBILE CUBEもCM-30と同様に、底部に3/8インチのネジ穴がついているが、CM-30に比べて奥行きが全くないので、ここにネジを取り付けても、30度に傾けて立てることはできない。
何らかの手段で、写真立てやイーゼルのような支えを作ってやる必要があった。
目をつけたのが、本体背面にある組立て用のネジ穴。深さ30ミリ、直径が15ミリほどあって、ここに棒状のモノを差し込み、ちょうど60度に傾くよう調整してやればいいはずだ。
鉛筆、サインペン、角材など試すが、どれもいまひとつしっくりこない。穴の径が底に近いほど小さくなっていて、ガムテープなどで巻いても、うまく収まらないのだ。
一番しっくりきたのが、手持ちのステンレス丸棒とボルトナットを組み合わせたもの。外径は10ミリほどしかないが、単に差し込んだ状態でもボルトのネジを調整してやれば、ちょうど60度になる位置があった。(写真上)
まずはこれで実際に歌ってみた。3メートルほど離れた位置に立ち、実際のチカチカパフォーマンスでの聴き手に近い条件で歌い、自ら聴いてみた。
すると、三脚に固定した場合よりボリュームを絞った状態でも、ちゃんと聴ける。理由は不明だが、床から直接伝わる音が関係しているのかもしれない。以前に試した「マイクスタンド宙吊り方式」のように、デリケートなハウリングの不安もない。
充分使えることは分かったが、問題は支持棒の固定のこと。設置&撤収時に素早くPAを移動させた場合、ただ差し込んだ状態だと脱落してしまい、思わぬ手間を食う元凶である。
固定する手段を試行錯誤するうち、不要になった額縁材の一部を加工してやると、抜き差しも簡単で、離脱もしにくいことが判明。(写真下)この部材での音のテストはまだやってないので、結果次第ではこちらを実戦で使うことにする。
(充分使えることをその後確認)