2012年7月8日日曜日

ゲリラ的ライブ敢行

 割当てが少なく、時には争奪戦となるチカチカパフォーマンスの週末枠が、前日になってもなぜか埋まらない。時間の融通が効く身なので、週末のパフォーマンスはこれまで控えてきたが、夕方になっても日曜後半の枠は空欄のまま。夏のイベント系ライブに備えて試したい曲があり、急きょエントリーする気になった。
 他のパフォーマーの近況をブログ等で調べてみると、夏祭り系のイベントに備えてみなさんご多忙の様子。どうりで枠が埋まらないはずだ。

 休日にエントリーするのは初めてだったが、以前にジャグリング系パフォーマーの方から、人の流れが平日とはかなり異なる、との情報は得ていた。
 降って湧いたようなエントリーなので、明確な構成は決まっていず、急きょ練習中の昭和歌謡をかき集め、足りない分は実績のある曲で補うことにする。
 休暇で家にいた妻が7ヶ月ぶりにつきあってくれることになり、普段とは異なる休日時間帯に合わせ、13時半に家を出る。この日からハンチングも夏物の白に替え、一気に夏模様の衣装で臨んだ。

 会場は前回と同じ北大通広場。前の時間帯にエントリーしていたダンス系パフォーマーの方がちょうど終わるところで、うまい具合に看板2つをその場で引き継ぐ。
 14時30分から開始。この日は他にパフォーマーのエントリーがなく、久しぶりに休憩なしの1時間で一気に以下の16曲を歌った。準備不足だった事情もあって、初披露は6曲しかない。(※印)

《前半》
「恋する夏の日」「そっとおやすみ※」「ペッパー警部※」「SWEET・MEMOPIES※」「グッドナイト・ベイビー※」「空港※」「恋のバカンス」
《後半》
「ハナミズキ※」「いい日旅立ち」「涙そうそう」「さくら(直太朗)」「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」「花は咲く」「青葉城恋唄」「帰りたくなったよ」「時代」


 前回と同じ場所、同じ時間帯だったが、いざ歌い始めると平日とは空気感がまるで異なるのに戸惑った。全般的に集まりが悪く、4曲目までは立ち止まる人はわずか数人という、ノレンに腕押しの反応。これが休日の怖さなのか。
 5曲目の「グッドナイト・ベイビー」でようやく人が増え始め、「いい声だね!」のかけ声もとびだす。この曲は初披露だが、かなり自信を持って歌ったので、当たってうれしかった。

 これに気を良くし、「演歌ですが、いつも受けの良いテレサ・テンを歌います」と前置きして「空港」を歌い始めたが、それを聞きつけてどこからともなく人が集まってきて、一気に10人を超える。
 テレサ・テンを歌うのはこれで3度目で全て違う曲だが、どの曲をどんな状況で歌っても受ける。テレサ・テン恐るべし。この事実はよく頭に入れておきたい。
 その勢いで休憩なしに後半をやることを即断する。幸いに喉の調子は前回よりもよく、水をあまり飲まずとも声はよく伸びた。
 後半の最初に歌った「ハナミズキ」は、正味5日間しか練習してなく、メロディを完全に覚えたのもごく最近。合計で20回ほどしか歌ってなく、状況いかんでは飛ばすつもりでいたが、増えてきた集客に勇気を得て思い切って歌った。
 歌詞が難解で世界観のつかみにくい曲だが、あえて強いギターストロークで歌ってみたら、じわじわほぐれてきた。今日でほぼ自分のものになった感じだ。家での練習を聴いていた妻からも「今日の出来が一番良かった」との高評価。
 5分近い長い曲だが、人は増えても減ることはなかった。テレサ・テンに続き、この曲がこうも支持されると分かったのは、大きな収穫である。

 ただ、結果としてこの日の集客ピークは、初めて歌ったこの曲という皮肉。場の状況が悪いと判断し、用意していた演歌、アニメソング、オリジナルは飛ばして、実績ある曲にその場で差し替えたが、その後の手慣れたはずの曲でも人は集まらず、逆に減るばかり。ラスト3曲は関係者を含めても4名という寂しい結果となってしまったが、その理由をあれこれ分析はすまい。
 はっきりしているのは、受ける受けないはその場の流れで、誰にも把握できない水物であるということ。歌い手はただひたすらに与えられた場で歌い続けていればよいのではないか?というありふれた結論である。