2012年7月21日土曜日

クラシック系ライブ

「ふるさとを歌う会」が主催する復興応援コンサートに出演。今回で通算4度目だが、私は初めて参加した5/5実施の第3回に続いての参加である。
 会場は前回の滝野すずらん公園とがらり雰囲気が変わって、北海道で唯一の4年制音楽系大学である札幌大谷学園百周年記念館。出演者の半数がクラシック系のプロということで、てっきり350名強が収容可能な記念ホールでやるものと決めこんでいたが、行ってみると1階にあるホワイエが会場となっていた。
 案内状の記載がやや曖昧で、迷った方が多数いたとか。さもありなん。


 10時25分に家を出て、50分に到着。今回は妻に休暇をとってもらい、サポート役を頼んだ。11時10分からリハ開始。機材一式は各自が用意とのことで、最も出力の大きい交流電源式のPAを準備した。
 5分で組立てが終わり、妻に客席に座ってもらって音のチェック。室内の自然反響が程よく、音響効果は一切ないタイプのPAだったが、メインボリュームを普段よりやや上げた程度で、あまり問題ない。

 出掛けにほとんど練習できなかったが、喉の調子はまずまず。機材は組み立てたまま壁際に移動し、昼食を求めて歩いて近所のスーパーに行く。


 予定より少し遅れて13時50分からライブ開始。クラシック系のコンサートということで、白いシャツに黒ズボン、濃いグレーのネクタイという、私にしては極めて珍しいスタイルで臨んだ。
 唯一の「私らしさ」は、頭に巻いたエンジのバンダナ。しかし、場所が結果としてオープンなロビーだったので、もっとラフなスタイルでも良かった気がする。
 セットリストもやはりクラシック系を意識し、「恋はやさし野辺の花よ」「雨が空から降れば」「熱き心に」の3曲とした。持ち時間が転換を含めて10分と短いので、選曲には頭を悩ませた。本来なら2曲に収めるべき持ち時間だが、クラシック~フォーク~昭和歌謡という流れと変化にはこだわった。
 短時間の一発勝負なのでさすがに冒険は避け、実績ある曲を並べた。


 少ない時間を有効に使い、同時に聴き手を素早くつかむべく、司会が自分の略歴を紹介する間、1曲目の前奏を小さく弾く。タイミングをはかりつつ、ギターを適当に引き続ける。
「では、お願いします」の声と同時に強く弾いて音量を増やし、そのままMCなしで歌に入る、という手法を使った。自主企画コンサートではたまにやるが、聴き手の気持ちを引きつけるには効果的である。

 1~2曲目のつなぎにもMCは入れず、瞬時にカポを移動させ、メドレーのように続けて歌った。どちらもゆったりした曲調なので、違和感なく収まる。3曲目の前にごく短いMCを入れ、一転して強いストロークで歌った。
 時間としては4分を超えるラストの「熱き心に」が最長。総勢70名ほどの客席は終始静かで、非常に気持ちが入った。


 練習通り、9分で歌い終える。ただちに次の演奏者にバトンタッチ。前半は鼻笛の互久楽さん、沖縄三線のずずさん、ピアニストの石本裕子さんと続く。バラエティに富んだ内容で、それぞれが熱演。予定通り15時に前半を終えた。

 20分休憩後に後半開始。オカリナの眞朝(MAASA)さん、ソプラノ歌手の清水紫さん(ピアノ伴奏、平岡健一さん)と続く。最後には出演者全員で「ふるさと」を歌い、ほぼ予定通りの16時10分にすべてのプログラムを終えた。


 出演の1~3番目までがアマチュアで、4~6番目がプロという構成。楽曲の多くがクラシック系で、最も外れていたのが私の歌った「熱き心に」だったかもしれない。しかし、そう違和感はなかったと妻から言われたので、よしとしたい。
 印象に残ったのは石本裕子さんの20分近い「ラプソディ・イン・ブルー」の演奏。楽譜も見ずにピアノ1台でこの名曲を力強く弾いていた。さらには清水紫さんが自ら作詞作曲した「安東の子守歌」。7分を超える力作だが、ノーマイクで切々と歌い上げ、感動の涙を誘った。この2曲を聴けただけでも今回のコンサートは充分に価値あるものだった。
 ボランティアとはいえ、プロとの共演は、やはり神経を使う。幸いだったのは、出番が緊張する暇もないトップであったこと。リハでは少し足が震えたが、本番では肝が座って大きなミスなくやり終えた。
 全てを見届けた妻の評価から考えても、オープニングアクトとしての役目は充分に果たせたと思う。