午前中から蒸し暑く、都心では30度を突破。ストリートで歌うような陽気ではないが、7月の平日エントリー枠はこの日が最後。「7月中に都心で歌う機会がありましたらご連絡を」と、ある組織から依頼されていて、この日歌うことはすでに前日伝えてあった。1ステージ30分でもこなさないと、先方に失礼になる。
共演の関係で会場が使えるのは15時から。いつもより1時間遅く家を出たが、あまりの暑さに日陰を探しつつ、駐車場から会場へと向かう。衣装も初めてTシャツ1枚だけで臨んだ。
会場は北4条広場で、15時から歌い始める。しかし、関係者らしき姿は見当たらず、暑さのせいか通りを行く人も少なめ。30分で以下の8曲を歌ったが、前回に引続き、特に歌い始めの人の集まりがよくなかった。
「季節の中で」「恋のバカンス」「サン・トワ・マミー」「夜霧よ今夜も有難う」「ハナミズキ」「つぐない」「青春時代」「グッドナイト・ベイビー」
立ち止まる人が現れたのは、3曲目あたりから。しかしパラパラ数人といった感じで、とにかく少ない。まるで1年前の歌い始めの頃のようだった。全体的に強い曲を並べたが、この日に限ればそんな過去の実績など、まるで意味がなかった。
「ハナミズキ」でようやく人が増え始め、10人前後に達する。「つぐない」でまた少し増え、そのまま最後まで何とか歌いきった。
歌いながら汗が流れ、帽子と首に巻いたバンダナでようやく止まっている感じである。休憩時に持参のタオルで汗をぬぐう。こんなことも初めてだった。とにかく暑い。
そのままやめてしまおうかと一瞬考えたが、試したい曲がいくつかあり、気を奮い立たせてもう1ステージ歌うことにした。
10分休憩後の15時40分から30分で以下の8曲を歌う。(※印は初披露)
「夜のバス」「心もよう※」「運命河※」「風来坊※」「夢一夜※」「家族になろうよ※」「しあわせになろうよ」「神田川」
後半は初披露連発で、どの曲が受け入れられるか?という、いわば玉砕覚悟のお試しステージといった感である。
前半同様、3曲目までは「笛吹けど踊らず」状態。「運命河」は非常に良い感じで歌えたが、誰も聴いてくれない。この曲はストリートではなく、別の場で歌うべきかもしれない。
4曲目の「風来坊」で一気に人が増える。同じふきのとうの歌だが、こうも集まりが違うことに当惑する。次の「夢一夜」でさらに人が増えたが、その勢いで歌った「家族になろうよ」になるといっせいに人が消え、曲の終わりまで残ったのはただ一人だけという有様。そんなつもりはなかったが、いわゆる「捨て曲」となってしまった。
(あとで気づいたが、このときちょうど16時で、いわゆる「魔の時間帯」にさしかかっていた)
実に出入りの激しい日だったが、このように厳しい場でも「風来坊」と「夢一夜」が使えることが分かったのは、この日の数少ない収穫である。
30度を超す真夏に初めてストリートで歌ってみたが、条件としては真冬よりもずっと厳しい感じがした。暑いときには歌ではなく、木陰かエアコンの効いた部屋でビール、というのが聴き手としての正直なところだろう。
後半途中から右耳が飛行機に乗ったように耳づまりを起こし、最後まで回復しなかった。おそらくは暑さによる体力面の問題。最近はほとんどないコードミスや、ラストのストロークでのタイミングずれなどもあった。全体的に集中力が欠落していた。
今後暑い日のストリートライブは、やめておくのが身のためであるかもしれない。それこそが最大の収穫だったか。