2012年7月30日月曜日

赤しばり

 一日遅れの記載となるが、昨夜、たまに顔を出す居酒屋ライブハウスの月例イベント「MJ」に参加。記念すべき通算60回目ということで、最古参メンバーの代表幹事の方が掲示板を通してネーミングや趣向を参加者に公募。「60なら還暦MJしかないのでは?」と何気なく書き込んだら、そのまますんなり採用となった。
 他の意見などから、還暦→赤、という発想で、赤いものがタイトルか歌詞に含まれている曲でエントリーすること。さらには、どちらも無理ならば、何かひとつ赤いものを身につけて歌うこと、といった取り決めがなされた。
 参加は17組と札止め状態となったため、開始時間は普段より30分早く、19時30分。開始前に「還暦MJ」の命名者としてお店から記念品をいただく。掲示板ではそうした予告はあったが、てっきりジョークと思い込んでいた。
 帰宅後に開封すると、写真のような高級日本酒。ネーミングごときで貰いすぎの感もするが、慎んでいただくことにします。


 19時30分ぴったりにライブ開始。トップはママさん、ラストはマスターと決まっていて、私の出番は早めの2番。ややオープニングアクトに近い位置づけだが、文字通りの「還暦シンガー」としては、無理のない順番であろう。

 選曲には頭を悩ませ、歌う直前まで実は決めてなかった。当初は昭和歌謡の「赤いスイトピー」、オリジナルの「昭和46年7月…」のつもりでいたが、最近急増する女性参加者と「赤いスイトピー」が重複する可能性があるらしいことを知る。
 基本は「赤しばり」なので、それに沿って再考するうち、ふきのとうの「運命河」、赤い鳥の「赤い花白い花」、加川良の「赤土の下で」も歌えることを知る。譜面は5曲分用意し、出発前の練習でもすべて練習したが、気持ちとしては純粋フォーク路線ともいえる「運命河」「赤土の下で」に次第に傾いていた。


 ステージに上がってから、他に歌う人がいないことを確認し、まず「運命河」を歌う。4ヶ月ぶりの参加なので、歌いながら足が小刻みに震えた。明らかに上がっている。
 この歌は3日前にストリートライブで初めて歌ったばかり。後半の歌詞に「空に赤く光り…」とあり、「赤しばり」をクリアしている。好きな世界観だが、曲調が暗い。何せ「三途の川」をテーマにした曲だ。
 暗いが、せつなくて叙情的なので、自分には向いている。出来はストリートのほうがよかったと思っていたが、帰ってからライブ動画で聴いてみたら、そう悪くはない。そのうちYouTubeにアップするかもしれない。
 2曲目は「赤土の下で」。これまた暗い。何せ、葬式の歌だ。しかし、非常にマニアックな曲なので、重複の心配はまずない。タイトルに赤が入っていて、こちらも「赤しばり」を難なくクリア。忘れていたが、まるでダメを押すように、首には赤いバンダナを巻いた。
 実は私の弾き語りデビューは同じ加川良の「戦争しましょう」である。40数年前のことだが、同じアルバムにある「赤土の下で」も非常に好きな曲だ。しかし、内容が内容だけに、めったな場では歌えない。「赤しばり」の拘束に逆に甘えた格好だ。

 まずまず無難にこなしたが、この曲はたぶん私向きではない。もっと渋くて太い声の方に似合っているはずだ。なので、たぶんYouTubeにはアップしない。一度こっきりの歌であるが、まあ歌えてよかった。
 曲順は逆にしたほうが落ち着いたかもしれない。しかし、いずれにしても「死」をテーマにした重い選曲であったことに変わりはない。
 その後、15組の方々の熱唱が続き、最終組が歌い終えたのは深夜0時15分。5時間近くの大イベントは無事に終わった。
 詳しい資料はないが、この種のイベントが60回も続くこと自体が奇跡のようなもの。果たして何回まで続くのか、そして我が身は何回まで見届けることが叶うのか?当面の関心はそこにある。