2013年4月10日水曜日

風になって歌う

 新年度最初、そして第4期最初となるチカチカパフォーマンスを実施した。新ステージ名での初めての活動でもある。予報では午後から雨だったが、そんな気配はない穏やかな日和。
 早めに事務局に着くと、この日4組がエントリーしていた共演のパフォーマーは、まだ誰も来ていない。看板2枚をキャリーカートに積み込み、会場の北4条広場へと向かう。

 準備中に似顔絵系のパフォーマー2人が相次いで会場入り。もう1人のジャグリングの方の姿が見えないので、少し遅れて14時10分から歌い始めることにした。
 この日の第1ステージは、「春の香漂うシャンソン」として、久しぶりにシャンソン系の曲を歌ってみた。(※は初披露)(◎はオリジナル)

「パダン・パダン」「オー・ソレ・ミオ」「バラ色の桜と白い林檎の花※」「独り◎」「ドミノ」「野ばら」「月の沙漠」「Godfather 愛のテーマ」「ケ・セラ・セラ」


 最初に通りに立ったときから気づいていたが、この日は通りを行く人の数が随分少ない感じがした。人が少なければ、相対的に立ち止まってくれる人も少ない。(今日は苦戦する…)そんな予感が走った。
 悪い予感は的中し、歌っても歌っても聴いてくれる人は現れない。初披露の「バラ色の桜と…」で、ようやく離れた場所で立ち止まり、聴いてくれる人がいたが、拍手をくれたあとにすぐに消えてしまう。
 喉の調子は悪くなく、めげずに粛々と歌い紡ぐ。気分を変えてみようかと、予定にはなかった「月の沙漠」を歌ってみたが、変化はない。結局予備曲を含めた9曲を30分で歌いきってしまう。
 本来ならここで共演のジャグラーの方にバトンタッチするはずだった。ところが、一向に姿が見えない。少し離れた場所に似顔絵の方が2人店を広げていたが、いつものような賑わいはなく、手持ち無沙汰の様子だった。
 ちょっと考え、久しぶりに1時間通して歌ってみようと思った。練習はしてなかったが、予備として春系の昭和歌謡を1ステージ分準備している。急きょ第2ステージとして、それを歌うことにした。

「赤いスイートピー」「花の首飾り」「花(滝廉太郎)」「ハナミズキ」「サクラ咲く◎」「あなたならどうする※」「空港」

 いつもは受けの良い昭和歌謡に切り替えても、通りの動きに変化はない。唱歌の「花」を除く最初の3曲は、普段なら集客抜群の曲だが、この日に限ってはノレンに腕押しの反応である。
 それでも手を抜くことなく、淡々と歌い続けるうち、オリジナルの「サクラ咲く」で何人かの人が近寄ってきた。そのうちの1人の中年女性が、歌い終わるとただちに500円のCDを買ってくれた。「地獄で仏」とは、まさにこのことか。
 勇気を得て「あなたならどうする」を続けて歌うと、さらに人が集まってきた。この歌は初披露だったが、自分に合っているかもしれない。気分が乗ったこともあって、これまで歌った中で最高の出来。聴き手にもそれが伝わったのか、バタバタとCDが売れ始める。

「今日は1時間も歌ってダメかと思ってましたが、CDを買ってくださった皆様が、神様のように思えます」と、率直にお礼を言う。
 さすがに左手が少し固くなってきたので、「空港」を歌って終わりとさせていただいた。


 15分ほど休んだが、共演のジャグラーの方はまだ現れない。思いがけずCDが5枚も売れたので、切り上げてしまおうかと一時は考えたが、少し休んだら残り1ステージ分のセットを試してみたくなった。
 気を取り直し、15時25分から第3ステージとして以下の6曲を歌う。

「夜空の笛※」「悲しき願い※」「ダンシング・オールナイト」「バス・ストップ」「寂しくなんかない◎」「抱きしめて◎」

 初披露の2曲は場に馴染む感覚はあったが、相変わらず通りは閑散としていて、人が立ち止まる気配はない。動きがあったのは「ダンシング…」を歌い始めてから。
 何人かが立ち止まって聴いてくれる。続けて歌った「バス・ストップ」でさらに人は増えた。女性目線のバラードだが、この曲も自分に合っている気がする。そこが人の足を止める所以。結局のところ、自分に合った曲をいかに見つけ出して歌うか、である。
 ラストのオリジナル2曲で、CDがかなり売れた。あとでまとめてみたら、13枚持参したうち、10枚が売れていた。(500円×4、200円×6)終了間際に来てくれた知人のKさんも含め、2枚まとめて買ってくださった方が複数いた。
 当初は過去最低の記録更新も覚悟していたが、終わってみれば逆に記録更新である。ストリートでは何が起こるか、やってみるまで分からない。
「流れる風になった気で淡々と歌う」
 ストリートの極意ともいえるそんなことを改めて感じた。