2013年4月18日木曜日

一気に19曲

 新年度2度目のチカチカパフォーマンスを実施。ジャグラーの方と共演の予定だったが、直前にキャンセルがあり、久しぶりに単独でのパフォーマンスとなった。
 前回同様に予報では午後から雨だったが、そんな気配は全くなく、時折晴れ間もさす陽気。13時50分には会場の北4条広場に着いた。似顔絵パフォーマーの方もエントリーしていたが、会場入りが遅れているようで誰もいない。

 寒暖の差の激しい不安定な陽気が続いていて、衣装をどうするか直前まで迷ったが、薄手の萌黄系ウールセーターに、改良を加えたばかりのストールに落ち着く。ハンチングは春秋タイプのベージュにし、全体を春らしい色味でそろえた。
 14時5分から歌い始める。前回は後半から抜群の集客だったが、反動としてこの日はたぶん悪いだろうと覚悟していた。予感は当たって耳障りのよい昭和歌謡系で始めたにも関わらず、立ち止まる人はほとんどなかった。
 前回もそうだったが、そもそも人通りが極度に少ない。あるストリートミュージシャンのサイトにも記載があったが、4月は誰もが雑事に追われ、路上芸人に足を止める心境ではないようだ。


 それでも通りに向かって、ひたすら歌い続ける。聴き手がいないように見えても、通りを往く人々の耳の隅には、必ず歌が届いているはず。手を抜けばそれがすぐに伝わってしまう。
 2曲目で中年男性が近づいてきて、じっと聴いてくれた。歌い終わると500円のCDを手に取り、千円札を投げ込んで立ち去る。忙しそうな感じで、お釣りを…、と声をかけたが、取っておいて、と受け取らない。思わず最敬礼してしまう。
 人が少ない割に幸先はよかった。結果としてこの日は以下の19曲をワンステージとし、休憩なしの1時間15分で一気に歌った。(※は初披露)(◎はオリジナル)

「悲しき願い」「天使のウインク」「バス・ストップ」「ダンシング・オールナイト」「抱きしめて◎」「寂しくなんかない◎」「二人でお酒を※」「夢一夜」「風来坊」「時の過ぎゆくままに」「想い出まくら※」「男と女のお話」
「抱きしめて◎」「赤いスイートピー」「花の首飾り」「サクラ咲く◎」「雨ニモマケズ抄◎」「あなたならどうする」「そっとおやすみ※」
 予定としては9曲目の「風来坊」で第1ステージ終了とし、休憩を入れるつもりでいた。しかし、前回同様、歌っても歌っても手応えがない。「バス・ストップ」でわずかに立ち止まる人はいたが、長続きしない。
 予定を変更してストック分から数曲を歌い継いでみたが、相変わらず動きはない。開始からすでに45分が経過している。最後のつもりで12曲目に「男と女のお話」を歌い始めたとたん、小さな歓声と共に2人の中年女性が近づいてきた。
 歌い終わると盛大な拍手。

「いまの歌、このCDに入ってます?」
「日吉ミミのカバーなので入ってません。著作権の関係で、CDはオリジナル曲だけなんです」
「そう…、どうりでどこかで聴いた曲だと思ったわ」
 女性は迷っている。先ほどの男性と違って慎重だ。
「では、どちらのCDにも入っているオリジナルを歌います。気に入ったら買ってください」
 そう言って「抱きしめて」をすぐに歌い始めた。これまで同じ日に同じ曲をストリートで歌った記憶はない。介護施設系ライブではアンコールで稀にあるが、今回はこうした展開なので、初めて禁を破った。
 歌い終わるとその女性、「心に残る歌声です。買います」と、500円のCDを買ってくれた。二人のやり取りを近くで見ていた方も数人寄ってきて、パタパタとCDが売れ始める。これまた前回と似た展開だった。
 その後お礼の意味もあり、請われるままに6曲を続けて歌った。「雨ニモマケズ抄」は、「CDの中にあるこの曲をぜひ聴いいてみたい」という、その女性からのリクエストである。
 結果としてこの日も500円のCDが5枚売れた。最初の男性もそうだったが、1曲聴いただけで間髪をいれず買ってくれる人がけっこういる。長く歌えばいいというわけでもないのだ。
 重複を含めて同じ日に5曲もオリジナルを歌ったが、状況をよく見極めれば、オリジナル曲が売上げに直結することも分かった。

 そしてこの日つくづく感じたことは、弾き語りの90%くらいは歌で決まるのではないか?ということ。少なくとも私の場合はそうだ。
 苦手なギターへの依存度を減らすべく、イントロなしの入り方を数多くやり、間奏のいくつかにはスキャットでメロディを入れ、ギターをほとんど弾かない手法もやったが、聴き手にはそれが逆に効果的に働いていたようにも思えた。
 ギターはミスをしない程度の修練にとどめ、せいぜい歌の研磨に今後も励むことにする。