2013年4月13日土曜日

ダブルアンコール

 ネット経由で依頼されていた隣区のデイサービスで歌ってきた。小樽にある同系列の別施設で、昨年2度歌わせてもらっている。
 電話で打診があった際にその旨を告げると、その小樽の担当者が移動で着任しているという。てっきりその方の紹介かと思いきや、全くの偶然で、別の担当者がたまたま探し当てたらしい。

「4月の誕生会」という切り口だったので、2日前に担当のNさんと打合せ、春にふさわしい曲を選んで、事前にFAXしてあった。
 聴き手は職員さんを含めて15名前後。古い民家を改築した家庭的な雰囲気の施設である。選んだ曲はNさんが立派なプログラムに直し、手回しよく全員に配られていた。


 予定より少し早く、13時58分から開始。3月からいくつかやっている介護施設系ライブのセットと大きな差はないが、以下の13曲(アンコールを含めると15曲)を順に歌った。

「お誕生日のうた」「北国の春」「バラが咲いた」「知床旅情」「真室川音頭」「荒城の月」「夜霧よ今夜も有難う」「二人は若い」「みかんの花咲く丘」「高校三年生」「月がとっても青いから」「ここに幸あり」「青い山脈」
(アンコール)「お富さん」
(ダブルアンコール)「バラが咲いた」
 初めての施設なので、定石通り手探りで歌い始めたが、最初の「お誕生日のうた」でいきなり手拍子が飛び出したので、「ニギヤカ系」を好む場であると瞬時に判断した。
 以降、時に踊りも飛び出すなど、抜群の手応えでトントンとライブは進む。しっとりした叙情的な曲を要所に挟んだ構成も、ほぼ思惑通りに働いた。
 選曲の目玉は、「バラが咲いた」「知床旅情」「夜霧よ今夜も有難う」「ここに幸あり」あたり。いずれも介護施設対象としては、やや新しめの曲なのだが、これも当たった。

 予定通り13時35分で終了し、素早く撤収しようとしたら、期せずして会場から「もっと聴きたいな…」のつぶやき。進行係のNさんは完全にまとめに入っていたが、会場から利用者の女性が私のすぐそばまで近づいてきて、「ぜひもう1曲お願い」と請う。
 予期せぬ事態に担当のNさんは慌て気味だったが、「アンコール、準備してますよ」と告げると、ようやく場が落ち着いた。

 ニギヤカ手拍子系の「お富さん」で無難にまとめ、ヤレヤレと機材を片づけにかかると、再び会場から「『バラが咲いた』をもう一回聴きたい…」とのつぶやきが。
(声の主は男性だったが、こうした施設で元気がいいのは女性と決まっていて、男性から積極的な発言があること自体が非常に珍しい)
 同じ曲をもう一度、というのは介護施設系では稀にある。全く別の曲を、と請われるよりは楽。時間的には問題ないとのことで、こちらもありがたくお受けした。
 いろいろあって、終了は予定オーバーの14時45分。しかし、「いい声だね~」「知ってる曲ばかりだったよ~」と、利用者の方々には満足していただいた。
 よく考えてみると、先月のデイサービスでもダブルアンコールを貰ったばかり。しかもどちらも職員さんの仕掛けた「お約束アンコール」ではなく、一時は職員さえ当惑させた、利用者からの要望だった。ここに大きな意味がある。
 かっては苦手としていたデイサービス・ライブ、自分なりの試行錯誤で、およそのさばき方は会得した。