2012年11月27日火曜日

悪天候にあえて外出

 昼近くに「暴風雪波浪警報」なる物騒なものが発令され、雷を伴う悪天候である。道南では多数の被害が出た模様だが、札幌市内の様子はそうひどくはない。大人しく家にいてDIYにでも励むべきか、はたまた町内会街灯補助金の申請に都心に出向くべきか、ちょっと迷った。
 予報をチェックすると、天気は夕方にかけて回復傾向、とある。悪天候のときは得てして街は空いている。書類一式はすでに整っているので、思い切って出かけることにした。

 案の定、道路は空いている。普段よりも早く着いたほど。補助金申請の窓口も閑散としていて、5名の担当者が所在なげに座っている。待ちわびていたかのように応対され、手続きはあっという間に終了した。


 その足で近くのカフェに出向く。始めて行く店だが、ネット情報で「平日昼間(15時以降)に弾き語りが可能」「PA完備」「集客ノルマなし」「特別なチャージなし」「無料駐車場あり」と、夢のような条件である。数日前にメール連絡し、半信半疑で確かめに出向いた。

 都心からは車で7~8分ほど。古民家を改造した店舗併用住宅である。ここにも客は誰もいない。店内にはピアノとドラムセット、コンガなどが壁際に整然と並んでいる。大型のスピーカーも確かに常設されていた。
 若いオーナーの方といろいろ話したが、うたい文句に偽りはなかった。どうやら一般営業のなかでの「貸しスタジオ」のようなイメージで場を提供しているらしい。といっても使用料は必要なく、普通の客としてメニューから一品注文するだけ。(いわゆる「ワンオーダー」)
 自然素材を多用したインテリアは素朴だが美しく、照明の使い方も巧みで落ち着く。看板類は元は技術系のサラリーマンだったオーナーの手作りだそうだ。
 以前に「自主企画ライブの条件」として8つを列記したことがあるが、そのうちの「自宅に近い」以外は全て満たす場だった。

 オーナーとの話のなかで、ライブ自体での利益は考えていないように感じた。珈琲も420円と安いが、味は他店と比べて遜色なく、非常にやさしい風味である。味にはオーナーの人柄が表れるのかもしれない。
 具体的に何をどうするというわけではないが、場としての選択肢がひとつ広がった感じだ。平日15時を過ぎると客は少ないらしいので、チカチカパフォーマンスを終えたあとの息抜きにも絶好かもしれない。