「音を外に漏らさない」という視聴覚室の特質で、床はフカフカのカーペット敷、天井も吸音材が全面に張られていて、音が全く反響せず、すべて吸音されてしまう。歌い手の求めるのは反響の良さで、全く相反する環境ということ。自宅で調整したPAの各種数値は、大幅に修正せざるを得なかった。
電子譜面やホルダー、ケーブルや照明関連にも問題はなかったが、マイクスタンドのぐらつきがまた始まり、一瞬ひやりとさせられた。
以前から安定しない垂直部と水平ブーム部を支える心臓部のネジで、外からテープで巻いて補強しライブは乗り切ったが、今日は再度の調整を試みた。
垂直パイプ上端にあるオスネジが緩んでいるせいと思い、パイプとネジの接続部に外側から穴を開け、ビスで固定してしまうことを思いつく。現状はパイプの一部をつぶして固定しているだけで、これが緩みの元凶のはずだった。
ところがこれでも緩みは回復しない。どうやらメスネジ側も山がつぶれてしまい、いわゆる「ネジがバカになっている」状態だった。
3本あるブーム式マイクのうち、7年前に勝った2本がこの状態。ひとまず1本だけまともなサウンドハウス社のマイクを改造することにした。
オスネジ側は前述のように外からドリルで穴を開けて完全固定。メスネジ側は使っていないスタンド上半分からシャモジ形のパーツを取出し、既存のパーツと組み合わせる。
(サウンドハウス社のマイク下半分はネジ山の関係でPAの支持台として常時使っていて、上半分は使っていない)
あちこちの部品を強引にかき集めた感じだが、どうにか使えるマイクスタンドが1台組み上がった。しかし、いずれこのスタンドもメスネジ側の山がつぶれてしまうだろう。予備のパーツを見つけ出しておくか、新規のスタンド一式を買うか、備えは必須である。
昨日のライブに参加していただいた方から、感想が5件ほど早くも届いた。常連の方や初参加の方などいろいろだが、おおむね好評のようで、胸をなでおろした。
なかでも20代男性からの「自分のスタイルを確立して長年続け、崩さないのがすごい」というコメントにはしびれた。そのほか「あくまでCoverであり、Copyではないのが好印象」「オリジナル曲の歌詞が素晴らしい」「還暦を過ぎてもツヤのある声を維持していることに驚き」「《抱きしめて》は一発で心に残る曲」など、細部にまで目を向けていただき、歌い手としては嬉しい限りである。
場所の設営に予想外の時間がかかるという問題はあったが、初めて利用した地区センター視聴覚室という場は清潔で静ひつ。聴き手にも好評だった。視聴覚室の新しい使い方という意味では、センター側にもアピールできたと思う。
最後の挨拶でもふれたが、今後も節制して精進を重ね、少しでも長く歌い続けていきたい。