4日間で3回という、還暦シンガーにとってはハード過ぎるスケジュールがたたって眠気と疲れがとれず、8時半まで布団の中にいた。休暇で家にいた妻と共に昨日と同じ時間に家を出る。
これまた昨日同様、激しい雨に振られたが、都心の駐車場に止めたとたん小振りに。傘は用意していったが、差すほどでもなく、そのまま会場に入る。
エレアコの音をマイクで録るのにどうしても抵抗があったので、今日は使い慣れた電池式のミキサーを持参した。会場に入ってすぐ、PA担当の方と打合せ。担当の方もエレアコ用のターミナルボックスを持ってきてくれていたが、マイクとギターのバランス面から、私のミキサーをメインPAにつないで使うことになった。
ただ、ボーカルとギターとを混合した音全体にリバーブはかけたくない、と担当者は主張する。自分で音を作る際はけっこうやっている手法だったが、ここはプロの判断に任せ、リバーブは一切かけずにやることにした。
この日は前の出演者が11時3分前に終了してくれ、余裕をもってスタンバイすることができた。ミキサーからの音も問題なく出たが、いい感じだと思っていた音に歪みがあると担当者はいう。
ミキサーのメインボリュームをかなり落とし、全体の調整はメインPAでやることになったが、結果としてステージの音は聴き取りにくいものとなってしまった。
11時ぴったりにライブ開始。昨日同様、スタート時の客席にはデジカメを握った妻しかいない。淡々と歌い継いだが、昨日とは明らかに空気感が違っていて、聴き手の集まりは悪かった。
これは私だけではなく、前後の出演者でも同じ傾向だった。長雨や連休最終日という事情がそうさせたのだろう。通りを含めた場全体が沈んでいた。ともかくも、昭和歌謡を中心に以下の7曲を歌う。
「大空と大地の中で」「恋のバカンス」「時の流れに身をまかせ」「聖母たちのララバイ」「ブルーライトヨコハマ」「愛燦燦」「また逢う日まで」
PAと会場の落ち着きに不安があったので、しっとりしたアルペジオの曲は後半の「愛燦燦」1曲に減らし、ストローク中心の構成で臨んだ。
聴き手はラスト近くで30名弱ほどで、普段のチカチカパフォーマンスに比べて決して少ないほうではない。しかし歓声や手拍子もなく、反応がいかにも弱い。
11時26分で終えたが、さすがに疲労感に襲われた。リバーブを全くかけずに歌うのは予想外に疲れることも知った。反響のよい小さなスペースならともかく、大スペースなので声に一切ごまかしが効かない。体力を消耗した一因だった。聴き届けた妻にも「声がちょっとかすれていた」と指摘された。
まあ、こんな日もあるということ。人生と同じで、毎回が当たりというわけにはいかない。年に似合わぬ無理をしたが、大きなミスなくどうにか乗り切って、義理も果たせた。しばし心身を休めたい。