2012年11月19日月曜日

女歌

 先日のチカチカパフォーマンスの後半は昭和歌謡中心の構成だったが、1曲目には沢田研二の「時の過ぎゆくままに」を歌った。ジュリーの歌は多数あるが、この曲の人気が高いとの事前情報があり、最近はよく歌っている。
 すると、かなり高齢とおぼしき女性がピタリ立ち止まり、じっと耳を傾けてくれる。70代後半から80代あたりだろうか、よほど歌好きと見えて、途中でCDを買ってくれ、8曲全部が終るまで聴いてくださった。
 終わると近寄ってきて、「1曲目に歌ったジュリーが最高、ジュリーが大好きなの。息子はフォークが好きなんだけどね」と、声をかけてくれた。
「女性の歌が得意と言ってたけど、もっとジュリーが聴きたかった」
 残念ながら、ワンステージで同じ歌手の曲は原則として2度歌わないようにしている。また次の機会に、とご容赦いただいた。風貌がちょっと亡き義母に似ていたが、何とも気の若いお方である。


 以前にもふれたが、最近は女性歌手の歌を好んで歌う。このときは8曲中5曲がそうだった。オリジナルの「抱きしめて」も女性目線の歌。過去にも同様の歌を作ったが、けっこう評判はいい。
 プロ男性歌手で女性歌手の歌をカバーしたり、女性目線の歌を歌う例はそう多くない。思いつくのは松山千春の「恋」と徳永英明あたりか。

 男性が男性目線で歌うのと違い、ちょっと違うセンスが必要になる。既成概念とは異なるので、聴き手に(おや?)と新鮮な印象を持たれやすい、というウマ味がある。他の歌い手との競合もまずない。それやこれやで、カバーもオリジナルも当面はこの路線で行くかもしれない。