2012年3月17日土曜日

父の遺品が寿命

 5年間使っていた電気カミソリの外刃が割れて穴が開き、肌に当たって血が滲むようになった。外刃の交換時期は1年毎とメーカーでは推奨しているので、5年も使えばとうに寿命である。さっそくアマゾンで外刃の価格を調べてみたら、なんと2,200円近くもする。予想よりも高価で、すぐに買う気にはなれなかった。

 実はこの電気カミソリ、亡き父が病院や施設で使っていたもの。死後に備品を片づけてくれた姉から手渡された、いわば遺品。唯一の息子でもあり、たまたま当時使っていた電気カミソリが寿命だったので、以来毎日使っていた。
 しかし、最近になって充電期間も極端に短くなり、内蔵の充電池もどうやら交換時期らしい。こちらの価格は調べてないが、合わせるとかなりの額になるのは間違いなかった。


 旅行などでも使える乾電池式の電気カミソリを調べて見ると、パナソニック製の最新型がわずか1,900円。替刃よりも安い。かなり考えたが、思い出は心の中にそっとしまっておくことにし、替刃をやめて乾電池式のこちらを買うことにした。(写真左)こちらの外刃は900円ほどとリーズナブル。
 今日届いたばかりだが、さして髭の濃くない私にはこれで充分過ぎるほど。単3電池2本は使っていない充電式のエネループ電池があったのでこれを使うことにした。
 アルカリ電池でも1ヶ月は使えるとのことで、1週間毎の充電を強いられたこれまでの電気カミソリより、使い勝手は増すかもしれない。

 父の遺品、5年間も使い続ければバチも当たらないだろうと胸の内でつぶやいてみる。こうして時は少しずつ動き、ゆっくりと流れてやがては消えてゆくのだ。それがこの世の定めである。諸行無常の春、雪解けのころ。