2011年12月1日木曜日

ブログの一文が入選

 終日気温がマイナスだった氷漬けの午後、インタホンが鳴って書留が届いた。何ごとかと封筒を見ると、父が眠る霊園の管理会社からである。そこでふっと閃いた。(以前に投稿したエッセイに関する内容ではないか…)
 急ぎ封を切ると、当たりである。かなり前に投稿し、すっかり忘れていたエッセイコンテストの連絡で、優秀賞に入選したという。副賞として2万円相当の商品券も同封されていた。パッタリと仕事の途切れた悲惨な状況のなか、まさに「天からの恵み」のようなアリガタイ話である。


 実はこのエッセイ、このブログに昨年記した「夕陽の霊園」という内容を元に大幅リライトしたもの。このままでは使えないので、一部に小説的手法を使った苦心の作である。

「おじいちゃん、いい所に眠っているね」と、期せずして妻が言う。どうやら妻も同じことを考えていたらしい。

 ここがエッセイの核になる部分で、これを中心に全体をふくらませた。

 幾度も推敲を重ねたので、書き上げた直後はけっこう自信があった。しかし、自己陶酔は物書きの特質でもある。投稿後の月日が流れるうち、自信は次第に不安に変わり、やがては記憶からも遠ざかってしまうのもまた常なのだ。
 そんな投稿が忘れた頃にこうして結果を伴って蘇ると、正直うれしい。出口の見えない不況でこのところ塞いでいた気分も晴れるというものだし、「ネット上のエッセイとして今後もブログを書き綴る」と最近豪語したばかりなので、いちおうその面目も保ったことになる。
 入選作は今後霊園の広報チラシ、機関紙、HP広報などに使われるそうなので、全文を公開することは現時点ではできない。今後ネット上などで読める状態になった場合、後日このブログにて告知したいと思う。
 ともかくも、消え物としてのブログがこうして見える形として実ったことを、ひとまず喜びたい。