札幌ドーム周辺に駐車場はなく、あっても遠くて混んでいる。ちょっと迷ったが、最寄りの地下鉄駅近くまで車で行き、近隣の駐車場に車を停めて地下鉄で向かうことにした。
朝の新聞に「前売り券3万5千枚が完売」とあり、当日券はシニアと学生、身障者等特別枠が各1,000枚あるだけだという。売り切れで入れず、という事態も充分考えられたが、「出かけるイベント」と割り切り、まずは行ってみることにした。
地下鉄は終点から終点までの長い区間だが、わずか25分で着いた。冬の移動は安全確実な地下鉄に限る。
会場近くの駅にはキックオフの1時間以上も前に着いたが、そこから会場までが大変な混雑。シニア券は何とか手に入ったが、観戦する席にたどり着くまで40分もかかった。
会場はすでに熱気に包まれていて、熱心なサポーターによる応援合戦が始まっている。シニア券はどの自由席でも座れるが、どこもひどい混雑ぶりで、入れたのは対戦相手のFC東京アウェイ席に近い場所だった。
本来はアウェイ用の自由席らしいが、今日に限ればゴール裏のアウェイ専用席以外はすべてコンサドーレ応援席、という感じである。ただ、座れそうな席は皆無で、やむなくスタンド最上段の通路最前列で立ったまま観戦することに決める。
応援ユニフォームは持っていないが、背中にはスーパーで買ったオニギリとお茶を入れた真っ赤なリュックを背負い、首には赤と黒のツートンカラータオルを巻く。遠目からはチームカラーを身につけた立派な札幌サポータースタイルだ。
5分遅れの12時35分キックオフ。最初は動きがやや硬かったが、展開としては互角。あっという間に時間が過ぎ、このまま0:0で前半終了か…、と思い始めた矢先、流れるような展開から続けざまに点が入る。狂喜乱舞のスタジアム。思わぬ展開で、2:0で前半を終える。
途中、入場者数の発表があったが、何と39,300名弱という驚くべき数字。前回のJ1時代、対横浜マリノス戦で同じような数を記録しているらしいが、体感的には身動きも出来ない満員状態だった。
ハーフタイムで息子にメールし、争っている対象チームの徳島が前半を0:0で終えたことを知る。後半はやや守りに入った印象で、防戦一方の展開。残り10分にとうとう得点され、2:1となってしまう。
以前に息子に聞いたことがあるが、サッカーで2:0の展開は非常にやりにくいという。緊張感の維持と共に、1点入れられた場合の焦りが加わるからだそうで、残り10分を地鳴りのような応援と祈りがスタジアムを包む。考えていることはみな同じだった。
やがて終了の笛。キーパーのスホン選手がゴール前で倒れこんで泣いている。近くにスマホを持っていた人から、徳島が負けたことを知る。悲願のJ1昇格決定だった。
1997年にJFLで優勝し、J昇格を決めた試合にも立ち会っている。以来14年ぶりの観戦だったが、私が立ち会った試合は負けない、というジンクスは生きていた。
この日使ったお金は弁当代を含めても1,800円ほど。シニア券1,000円は非常にありがたい。弁当類は会場では高くて並ぶので、コンビニ等で買ってゆくのが正解。飲物類は入口でチェックされ、紙パック製品以外は蓋付紙コップに移し替えを要求される。
あとで知ったが、「ドニチカ切符」というものを買えば、終日500円で乗り放題だったらしい。遠方の場合はこちらを利用するほうがお得。
多少の計算違いもあったが、安上がりで気軽に楽しめる場所をまたひとつ見つけた。来年は日ハムの観戦も含め、札幌ドームにときどき出かけてみようかと思う。