事前情報では、出演者は過去最高の19組。開始は20時なので、イベント終了は深夜になることは確実。昼間にDIY作業をやったせいか夕方に疲れを感じ、パワーを温存するべく少し眠って備えた。
時間ぴったりにライブ開始。今回は見学者や団体参加者が少なめで、参加数の多い割に店内はゆったりしていた。
まずは古株のSさんのリードで「あの素晴しい愛をもう一度」をオープニングとして全員で歌う。以降、店内に貼り出されたエントリー表に従って各自の演奏が繰り広げられた。
私の出番は程よい中程の9番目。「ありがとうforever」というこのイベント用に作ったオリジナル曲があり、数年前の20回記念イベントではトリを務めさせていただいた。
今回もその流れで同じような話があったが、最近は施設訪問ライブ等に忙しく、このイベントからも足が遠のいている。謹んでご辞退し、還暦シンガーにとって無理のない順序にしていただいた。
入替え時間を短縮するべく、「MCは簡潔に」「次の出演者は前者が演奏中にそっとスタンバイ」を徹底させた関係で、ライブはトントンと進んだ。
普通のライブハウスでは考えられないような50回という長寿記念イベントなので、出演者の層も多彩。完全皆勤のマスターは別格として、「ほぼ皆勤」の49回出場者が2名もいて驚かされた。
私はちょうど1/3となる17回の参加。第2回目からの参加だが、この間途切れそうで途切れず、細々と顔を出していた。
お店で最初に歌ったのがちょうど7年前。長い中断期間のあとなので、場のさばきも怪しげなヒヨッコの私を成長させてくれたのも、このお店の存在が大きい。
7年の間にいろいろな人が消え、そして新たに加わった。人の流れを振り返るとまるで人生そのものを見るようで、非常に感慨深い。
21時50分くらいから私のステージ開始。今回は「50回にふさわしい選曲」という申し合せがあったので、割当て分2曲のうち、前述のオリジナル曲「ありがとうforever」は必須。残る1曲はかなり迷った。
お店で最初に歌った「雨が空から降れば」にするのが順当だったが、そうなると2曲とも「懐かしく過去を振り返る」という切り口になってしまう。記念イベントなのでそれでも構わなかったが、持ち前の偏屈心が頭をもたげ、何か新しい曲に挑戦してみたくなった。
いろいろ調べるうち、お店にたまに顔を見せる女性が以前に歌った「別れのうた」が気になり始めた。女性は道北在住なので、今回のイベントへの出場は難しい。
内容はまさにこの種のイベントそのものを歌っていて、「過去を懐かしく振り返りつつ、そして新たなるスタートへ」という主旨にふさわしい。これでいこうと決め、何ヶ月も前から練習に励んだ。
数ヶ月ぶりの参加なので、1曲目はちょっと上がった。ギターのピッキングが一部怪しいのはそのせいか。モニターが少し聞き取りにくかったが、いつものように勘で歌う。ギターはともかく、ボーカルの出来はまずまず。
最近よくやる手法だが、ところどころテンポを無視し、揺らぐようにあえて歌った。曲の持つメッセージを的確に伝えようとすると、どうしてもこうなる。シャンソンではごく普通の歌唱法だが、フォーク系の曲や唱歌などでは、もしかすると邪道かもしれない。しかし、これが目下の自分流。聴き手に寄り添いやすいことも実証済みで、しばらくは続けるつもり。
2曲目のオリジナル曲は過去に何度も歌っている定番曲なので、古株のメンバーはサビの部分をいっしょに歌ってくれて、大いに盛り上がった。50回記念にふさわしい楽曲であった。
その後、新旧のメンバーがそれぞれの想いをこめて楽曲を披露。あっという間に時は過ぎ去り、全員で「翼をください」をシングアウトし終えたときには深夜0時半を回っていた。