2011年9月10日土曜日

マルモリ強し!

 9月最初のライブとなる近隣のグループホームでのイベントが無事に終了。6年前の冬から本格再開した弾き語り活動の当初から、ずっとお付き合いのある施設で、依頼は2ヶ月ほど前にあった。
 時期が9月ということで、てっきり敬老会だとばかり思い、ずっとそのつもりで準備してきた。ところが念のため前日に電話で確認すると、お祭り形式で屋台を出し、近隣の住民を招いてオープン形式でやるという。つまりは苦手なお祭り系イベントライブなのだった。

 思惑が外れ、急きょ決めてあった構成の修正を図る。室内の場合は叙情系とニギヤカ系をおおむね半々で構成するが、屋外イベントとなると、叙情系は難しい。予定していた「この道」をやめ、「丘を越えて」と差し替える。
 子供が来る可能性があるというので、迷っていた「となりのトトロ」をフルコーラス歌うことにし、予備として「マル・マル・モリ・モリ」を準備した。
 明け方まで雨が降っていたが、起きると次第に晴れ間が広がってきた。晴れと雨の両方の体勢でいたが、やはり私は晴れ男であるらしい。屋外の晴れメニューでやろうと腹をくくった。
 午後1時少し前に会場に到着。陽射しは暑いほどだが、風がかなり強い。施設西側にある庭を会場に、1時15分からライブ開始。以下の10曲を30分で歌った。

「高原列車は行く」「となりのトトロ」「マル・マル・モリ・モリ」「瀬戸の花嫁」「世界の国からこんにちは」「夕焼け小焼け」「赤とんぼ」「高校三年生」「丘を越えて」「上を向いて歩こう」


 先月末にやった子供相手のお祭り系イベントライブで大きな失敗をしているので、始めるまでは正直気乗りがしなかった。お祭り系ライブに対する自信喪失もあった。
 今回もライブ開始と同時に焼きそばやトウモロコシ、飲み物などが配られたのは、他のイベント系ライブと全く同じである。
 会場には3人の子供(小学校低学年)がいて、子供向きの歌が受け入れられる要素はあった。それを見越し、子供向きメニューを早めに用意したが、最初の「となりのトトロ」が、予想外に大人も子供も反応がよい。
(これはもしかして…)ちょっと元気になって、隠し玉の「マルモリ」をここで使ってみる気になった。
 しかし、いきなりはさすがに怖い。そこで率直に「次の曲はみなさんがご存知でしたら歌います」そう前置きし、タイトルを告げると、子供はすぐに反応したのは当然としても、中高年の集団から予想外の歓声が上がった。
 理由ははっきりしないが、あとで妻が言うには、テレビドラマの主題歌(「マルモのおきて」)なので、ドラマそのものを見ていたのでは?とのこと。私も妻も全く見ていないが、確かにそれはありそうだ。

 結果的に最も受けたのはこの曲である。要するにいまが旬のようで、今年はこの曲で引っ張るべきかもしれない。
 意外に反応が薄かったのは叙情系の童謡2曲。室内だと圧倒的に受けるが、声が風に飛ばされる屋外では、この種の曲は難しい。ラスト前に同じ叙情系の「北の旅人」を準備していたが、無理と判断して歌わなかった。

 そのほかで反応が良かったのは、「世界の国からこんにちは」「高校三年生」「上を向いて歩こう」など。こうした場では、やはりテンポのよい手拍子系の曲が好まれる。
「高校三年生」は珍しく3番まで歌った。「上を向いて歩こう」は子供たちも手拍子をくれた。さすがに強い。「震災ソング」と位置づけられている今年は、極力歌うべきだろう。
 終了後、いろいろな人が声をかけてくれたが、特筆すべきは、2~3年生と思われる女の子。機材を片づけていると、そばにきて利発そうな目で何か言いたげに私を見つめている。ライブ中にも目を輝かせてじっと聴いてくれていた子で、終始反応がよかった。
 余程音楽が好きなんだなと思っていたので、頬笑みを返すと、「とても上手ね」と声をかけてくれた。「ありがとう、また聴いてね」と返すと、うれしそうな顔をしている。完全に孫の年頃だが、子供からこの種の声をかけてもらうのは初めてのこと。非常にうれしい。
 大人から指図されたわけでなく、自分から進んで声をかけてくる。幼くしてすでに人生の扉の開け方を心得ているのだ。心豊かな女性に成長することだろう。