2008年10月5日日曜日

自力出版再び?

 作家文筆関係で世話になっている方から、自費ならぬ自力出版に関する相談を受けた。8年前に自力で出版した「親馬鹿サッカー奮戦記」という本が私にはあるが、それと同じ体裁で、もう1冊別の本をまとめてはくれないか?という打診である。

 当時は資金不足から、製本以外のすべてを、全くの独力でこなした。パソコンソフトに原稿を打ち込み、写真をスキャンし、全体をレイアウトし、高性能プリンタで1枚ずつ印刷する。
 製本だけを外注し、B6版222ページの本を60部だけ作ったが、その後の大手出版社からの企画出版に結びついたイワクつきのもの。それを見てエラく気に入った方からの引き合いである。


 調べてみたら、当時の詳細な記録がほぼ完全に残っていた。使ったすべての用紙の種類、サンプル、価格、買った店の場所を始め、製本に出した店の場所や価格、使ったプリンタリボンの本数や価格まで控えてあった。
 残念ながら、当時使った優秀な熱転写プリンタは壊れてしまい、すでに手元にない。両面印刷の関係でインクジェットプリンタは本には使えず、代替品となるプリンタを調べてみたら、両面印刷対応の高性能レーザープリンタが、わずか2万弱で買える。これなら、新規にプリンタを購入して仕事を請け負っても、充分採算が合う。

 当時パソコンで作った版下原稿ファイルもそっくり残っていて、テキスト原稿を差し替えれば、そのまま転用可能。明日、製本コストを再度確認してみるが、ほぼ同じ手法でやれそうな感じがしてきた。
 プロに頼まず、わざわざ私に声をかけてくださったのは、「コストが破格(何しろ自分で作るので)」「その割にセンスがいい(いちおうデザインのプロなので)」という二つの理由からだ。噛み砕くと、「予算はまるでないが、いいモノは欲しい」という、昨今のごく一般的なニーズが根底にある。やっぱりコストは時代の大きなポイントなのだ。
 まだ確定ではないが、もしかすると2冊目の「自力出版」の仕事を、今度はお金をいただいてやることになるかもしれない。
 私の仕事用屋号である「TOM工房」は建築関連業務に限定せず、広くデザイン業務全般を手がけるつもりで、汎用的でアイマイな名称にしてある。その思惑通りにだんだんなってきた。
(ちなみに、原稿は私のものでなく、すべて先方のデータ提供)