特に求められてはいないが、どうしても出来てしまう空きスペースに、フリー素材を使って適当にイラストを配置した。
フォントの選定や写真をどこにどう配置するかは、すべて作り手のセンスに任されている。このほか、文末や文頭の禁則にも気を配る必要がある。
自分の本なら、文頭に不適切な記号、たとえば小さい「っ」とか、「?」がきてしまった場合、文章そのものを変えてしまうという必殺技がある。ところが他から依頼されてやる場合、その種の技は一切使えない。
家の設計もそうだが、あくまで主役はお金を払う依頼主で、デザイナーが好き勝手に出来るわけではない。そこがお金をいただく仕事の辛いところ。
前回の自力出版で使ったアルプスの熱転写プリンタは壊れて廃棄してしまったので、代わりとなるレーザープリンタをアマゾンで注文した。価格は2万円弱で、9年前なら軽く10万はした製品だ。
あちこちの情報を集め、評価の高いブラザーのモノクロ専用プリンタに決定。前回のプリンタも熱処理で印字するタイプだったが、今回のレーザープリンタも基本原理は同じ。印刷精度が高い反面、印刷された紙が熱でそるという欠点がある。
両面印刷の場合、熱による紙の収縮が相殺されてソリの程度は少ないはずだが、メーカーが変わるとどうなるかは未知数。早めに入手し、どの紙ならソリが少ないのか、実際に印刷して試してみる必要がある。
夕方、買物があるという妻と共に、2キロ離れた週末だけ開く安売り店に歩いて行く。車で行ってもよいのだが、往復4キロ×8円=32円のガソリン代節約というわけか。価格が下がっても、一度覚えた節約のダイゴ味は簡単には忘れません。
ソバ1キロ、タマネギ2キロなど、かなり重いものをまとめ買いしたので、それらは私が背負っていった登山用ザックにすべて入れた。
普段は歩き慣れない妻が、「何だか疲れたわ」と帰り道で言うので、近道となる墓場の中の道を通って帰ろうかと私が提案。「怖い?」と尋ねると、「ちっとも」。
夜の墓地はしんと静まりかえり、生きている私たちに、何かを語りかけているみたいだった。
父の死を間近で見守って以来、死者だとか墓だとか骨だとかが、少しも怖さを感じなくなった。生きていることと死んでいることに、たいした違いはない。この世は束の間の夢のパラダイスさ。